最近寝つきが悪い、起きたときに疲れが取れていないとお悩みの方はいませんか?そのように感じるのは、もしかしたら身体に含まれる水分が不足しているからかもしれません。
そこで今回は睡眠と水分の関係を解説し、睡眠前におすすめの飲み物と避けた方が良い飲み物をご紹介します。
睡眠と水分の関係
睡眠には脳や体を休めるだけでなく、心身を健康に保つ役割もあります。しっかりと寝ているものの、「起きたときに疲れが取れていない」と感じる場合は、睡眠の質を高めることが大切です。
睡眠の質を良くする方法のひとつとして、寝る前に適切な温度の水分を摂取することがよく挙げられます。
ここでは、睡眠前の水分摂取がなぜ大切なのか、摂取する際の水分の適切な温度について解説します。
就寝前の水分摂取は必須
人間は、寝ている間にコップ1杯程度の汗をかくといわれています。この寝ているときの生理的発汗は、体の温度を緩やかに下げ、良質な眠りへと導いてくれる役割も担っているのです。
そのため、睡眠時に脱水症状になってしまうと、体温調節が上手くできず睡眠の質が下がってしまいます。
また、脱水症状は血中の水分量も不足するため、濃度が高い血液になります。濃度が高いと粘度が高く、ドロドロとした状態になるので、血液はスムーズに流れません。
血液の流れが悪くなると、全身に酸素や栄養が行き届かなくなり、老廃物が溜まりやすくなります。
そうすると血管が詰まりやすくなるため、こむら返り・心筋梗塞・脳卒中・脳梗塞などのリスクも高まります。
さらに、気温が高い季節は水分とミネラル不足で夜間熱中症になる可能性もあるので、就寝前には水分補給を行うようにしましょう。
就寝前の飲み物はホットか常温
人間の脳は、体内の温度が自然に下がることで徐々に眠気がくるようになっています。そして、一度上がった体温が下がっていく過程の勾配が大きいほど眠気が起こりやすく、なおかつ深い眠りに入りやすいです。
つまり、この人間の体の仕組みを理解して適した水分摂取をすることにより、質の高い睡眠を叶えられるようになるでしょう。
そのため、寝る前には「温かい飲み物」を飲むのがおすすめです。温かい飲み物は体の内側から一気に温度を上げることで下がり幅をつくることができます。
また、温かい飲み物には脳と体をリラックスさせる効果も期待できるので、就寝前に飲むと質の高い睡眠に導いてくれます。
ただし、就寝する直前に温かい飲み物を飲んでしまうと体温が高い状態になってしまい、脳や体が活動的な状態になり、入眠効果や睡眠の質を高める効果は得られません。
スムーズに入眠するには、体温を緩やかに下げることが大切です。温かい飲み物は就寝の1時間前くらいに飲むようにしましょう。もし就寝直前に水分を取るなら、内臓への負担が少ない常温の飲み物を選んでください。
眠れないときにおすすめの飲み物
ここでは、眠れないときにおすすめの飲み物をご紹介します。「最近、睡眠不足だな」と感じている方は、ぜひ就寝前に飲んでみましょう。
ハーブティー
ハーブにはリラックス効果・自律神経を整える効果・ストレスを軽減させる効果が期待できるものが多いため、睡眠前の飲み物としてぴったりです。
特にカモミールやローズ、オレンジフラワーなど、リラックス効果のあるハーブティーがおすすめです。
カモミールは発汗作用や鎮静効果があるとされ、体温を上げてくれます。ローズは鎮静効果だけでなく、ホルモンバランスを整えたり、美肌効果に良いとされるビタミンCやポリフェノールが含まれていたりするため、女性にもおすすめです。
オレンジフラワーはストレスや不安を和らげる効果があるため、就寝前に飲めば落ち着いた状態で眠りにつくことができるでしょう。
心地良い香りは気分転換やリフレッシュ効果、睡眠の質を高める効果があるといわれています。また、香りは鼻から入って電気信号に変換されて、大脳新皮質を経由せず大脳辺縁系へダイレクトに届くため、脳の状態を早く切り替えてくれるという効果もあります。
好みの香りのハーブティーを選び、飲むときに香りもしっかりと堪能して気分を癒してください。
白湯
白湯(さゆ)は、水を沸騰させて作ったお湯です。もともとが水なので、内臓や神経を刺激する物質を含んでいません。さらにしっかりと沸騰させた白湯は不純物もほとんど残っていないため、老廃物の排出を促したり、胃腸内をデトックスしたりする効果も期待できます。
また冷水のように内臓を急激に冷やすこともないため、胃腸が弱い人には特におすすめです。
白湯の場合は、やかんや鍋、ケトルなどで水を沸騰させるだけなので、お金がかからず手軽に用意できるのも嬉しいポイントです。
ただ単に水を温めるだけで作れるわけではありません。
白湯は一度しっかりと沸騰させてしばらく加熱した上で適温までしっかり冷ますのが大切です。ぜひ次の手順に沿って白湯を作ってみてください。
【白湯の作り方】
1.やかん、または鍋に水を入れ、蓋をした状態で中火にかけます
2.沸騰したら蓋を取り、弱火に落として15分ほど煮沸します
3.火を止めて、50℃前後になるまで冷ましたら完成です
毎回煮沸するのは面倒だと感じる方は、ケトルを使ってもOKです。ただし、ケトルの場合は沸騰後に加熱が停止してしまうため、不純物を取り除くことが十分に行えないこともあります。そのため、不純物が含まれていないミネラルウォーターを使用することがおすすめです。
寝る前には避けたい飲み物
これまで、就寝前には水分補給をすることを紹介しました。しかし、水分はどんな飲み物でも良いわけではありません。種類によっては、寝つきを悪くしてしまうケースもあるので注意しましょう。ここでは、寝る前には避けた方がいい飲み物を紹介します。
アルコール
アルコールを摂取するとだんだん眠くなってくる、という方も多いのではないでしょうか。そのため、なかには寝酒として頻繁に取り入れている方もいると思います。確かにアルコールには鎮静効果があり、入眠はしやすくなります。
しかし、アルコールを飲むと眠りが浅くなってしまうため、ぐっすりと眠れず脳や体を十分に休めることができないことに繋がります。
また、アルコールには利尿作用があります。就寝前に飲んでしまうと、夜中に何度も目覚める、のどが渇くといった状態になり、質の高い睡眠を取ることができなくなります。
就寝前の水分補給には適していないので、できるだけ避けるようにしましょう。
カフェインの入った飲み物
カフェインには、交感神経を活性化する作用があります。交感神経は体を興奮状態にさせる役割があるので、寝る前に交感神経が活性化してしまうと、なかなか寝付けなくなってしまいます。
また、カフェインはアルコールと同じく利尿作用を持っており、睡眠を妨げるため就寝前に飲むのは控えるようにしましょう。
カフェインを含む飲み物として、コーヒーや紅茶、緑茶、コーラなどが挙げられます。これらの飲み物は、就寝の5時間前までに飲むようにしましょう。
人によっては日中カフェインを含む飲み物を飲みすぎると、眠れなくなることがあります。カフェインによる効果の度合いは体質によって異なるので、日中であっても飲み過ぎないようにすることをおすすめします。
まとめ
寝る前の水分補給が不十分だと、知らず知らずのうちに脱水症状に陥ることもあります。当然、寝ている間は水分摂取ができないので、就寝前にはコップ1杯ほど飲み物を飲むようにしましょう。
冷たい飲み物だと胃腸に負担をかけることがあるため、水分補給は温かいものか常温のものを飲むことが大事です。
ハーブティーはリラックス効果が期待でき、白湯なら胃腸への負担が少ないのでおすすめです。就寝前の水分補給を習慣に取り入れて、睡眠の質を高めましょう。