ベッドに入ったものの、なかなか寝つけないことがありますよね。テレビをつけてみたり、読書をしてみたりしても眠れない場合、どうすれば良いのだろうと悩んでしまうものです。
不眠解消に役立つ方法はいくつかありますが、そのひとつとして注目されているのがアロマです。今回は睡眠にアロマがどのように役立つのか、またアロマを取り入れる方法について紹介します。
眠れないときのアロマの効果
アロマテラピーは、植物由来の香り成分である精油を使った自然療法です。特定の香りを嗅ぐと、リフレッシュできたり、ホッとしたりすることがありますが、その香りのもつ働きに着目したのがアロマテラピーといえます。
スムーズな入眠には、自律神経のうち副交感神経が優位になり、リラックスすることが大切です。活動時に働く交感神経が優位な状態では、頭が冴えてしまって眠れません。
眠れないときにアロマを取り入れると、香りが脳の視床下部に直接働きかけ、自律神経が整い、副交感神経が優位の状態になります。脳や体の緊張がほぐれて、リラックス状態になれるので安眠が期待できるのです。
【眠れない原因別】おすすめのアロマ
眠れない原因は人によってさまざまです。頭が冴えてしまって眠れない人もいれば、蒸し暑くて寝苦しく感じる人もいるかもしれません。
眠れない原因別におすすめのアロマを紹介しますので、アロマ選びの参考にしてみてください。
頭が冴えて眠れない人は「ラベンダー」がおすすめ
寝る時間なのに、頭が冴えて眠れないこともありますよね。そんなときにおすすめのアロマがラベンダーです。
ラベンダーは地中海沿岸原産のシソ科のハーブで、アロマテラピーの代表ともいえる香りです。花自体は鮮やかな紫色の小さな花で、観賞用としても人気があります。
ラベンダーから抽出した精油はフローラルな香りがするため、特に女性に好まれるアロマです。ラベンダーの香りはリラックス効果が高く、緊張感やストレスを和らげ、気持ちを落ち着かせてくれる作用があります。
不眠や頭痛のほか、胃腸のトラブル緩和にも良いとされている香りです。
蒸し暑くて眠れない人は「ベルガモット」がおすすめ
暑い日は蒸し暑くて眠れないこともあるでしょう。そんなときにおすすめなのは、ベルガモットです。
ベルガモットはミカン科の植物で、果実は丸みを帯びており、レモンやライムに似ています。ベルガモットの果皮から抽出したアロマは爽やかな柑橘系の香りが特徴で、アールグレイなどの紅茶の香りにも使用されていることで有名です。
ベルガモットの香りにはリラックス効果があるとされています。そのため、ストレスや不安などからくる緊張感を和らげ、スムーズな入眠のサポートに役立つアロマといえるでしょう。
また、リフレッシュ効果も期待できるので、蒸し暑いと感じる日にベルガモットのアロマを使用すると、気分をスッキリとさせるのに役立ちます。加えて、気持ちの沈みや不安・緊張の緩和にも良いとされているアロマです。
心配事があって眠れない人は「スイートオレンジ」がおすすめ
悩みや心配事があると、そればかりが気になってなかなか寝つけないこともあります。そんなときにおすすめのアロマは、スイートオレンジです。
スイートオレンジもミカン科の植物で、果実は丸くてオレンジ色をしています。精油は果皮から抽出しており、柑橘系の甘くてフレッシュな香りが特徴です。
スイートオレンジのアロマには、ストレスを緩和し、不安や緊張を和らげる効果があるといわれています。心配や悩みがあるときにぴったりのアロマといえるでしょう。
スイートオレンジのみで使用することもできますが、深みのある落ち着いた香りが特徴のサンダルウッドと合わせるのもおすすめです。
眠れないときのアロマ選びのポイント
「アロマ」や「アロマオイル」と記載されているものは品質がさまざまです。選ぶオイルによっては期待する効果が得られないこともあるので注意しましょう。
ここでは、眠れないときの対策として、アロマを選ぶ際のポイントを紹介します。
「アロマオイル」などの製品名に注意する
アロマとして使われるオイルには、大きく「エッセンシャルオイル(精油)」と「アロマオイル」のふたつの種類があります。同じようなボトルに入っているものの両者は全く違うオイルで使用方法や効果が異なるため、よく確認して選びましょう。
エッセンシャルオイルは、植物由来の天然100%の香り成分で作られているオイルです。肌に直接触れても大丈夫なオイルで、化粧水などに加えたり、マッサージ時にボディオイルに混ぜたりして使用することができます。
上記で紹介したようなアロマの効果を期待するなら、エッセンシャルオイルを使用することが大切です。
一方、アロマオイルは人工的に作られた香料をほかのオイルやアルコールなどを使って薄めて製造されているものです。エッセンシャルオイルのように香りを楽しむことができるものの、エッセンシャルオイルと同じ効果を得ることはできないので注意しましょう。
実際に香りを嗅いで選ぶ
いくら眠れないときに良いといわれる香りでも、苦手な香りだとリラックスすることはできません。アロマを選ぶ際は、実際に香りを嗅いでみて自分が苦手な香りでないかどうかを確認しておくことがおすすめです。
自分にとって心地良く、リラックスできる香りを選びましょう。たとえば、頭が冴えて眠れない場合、おすすめのアロマはラベンダーですが、ラベンダーよりもスイートオレンジのほうが好みであればスイートオレンジを選ぶと良いでしょう。
先述の眠れない原因別のおすすめアロマは、あくまで選ぶ際の参考にして、自分が安らぐ香りを選ぶことが大切です。
睡眠前のお楽しみに。アロマのさまざまな取り入れ方
好みのアロマが決まったら、アロマテラピーを取り入れてみましょう。アロマの取り入れ方は複数あるので、自分に合った方法を選ぶようおすすめします。
普段使いにおすすめ「アロマディフューザー」
室内に設置し、エッセンシャルの香りを広範囲に拡散させる拡散器です。室内に素早く香りを広げることができるのが特徴で、おしゃれなデザインのものも多くあるためインテリアとしても楽しめます。
水を入れて加湿器として利用できるものもあり、眠りやすいようにちょうど良い部屋の湿度に調整することもできて便利です。
商品によって香りの拡散力やお手入れの頻度が異なり、また照明機能やタイマーなどがついたものもあるので、いろんな商品を比較して選ぶようおすすめします。
入浴時におすすめ「アロマバス」
入浴時にアロマを取り入れるのもおすすめです。浴槽に数滴エッセンシャルオイルを垂らしてお風呂に浸かると、湯気とともに香りが立ち上って、バスタイムが素敵な時間に変わります。
お風呂に浸かるだけでもリラックスできますが、アロマの香りを楽しむことで、より充実したバスタイムになるでしょう。
オイルが肌に直接触れるアロマバスでは、エッセンシャルオイルを使用することが大切です。入れすぎると肌への刺激となり、ダメージを与えるおそれもあるため、製品に使用されている使用量の目安をしっかりと確認して使いましょう。
就寝前におすすめ「アロマキャンドル」
就寝前に使用するのにおすすめなのが、アロマキャンドルです。炎のゆらぎを見つめると安らぐといわれており、就寝前にキャンドルを灯すと落ち着きます。
心地良いアロマの香りがあるキャンドルを選ぶと、さらなるリラックス効果が期待できるでしょう。
アロマキャンドルを使用する際に注意したいのは、火の消し忘れです。特に就寝前に使用すると、アロマの香りで心地良くなりウトウトしてそのまま寝てしまうことも考えられます。必ず火を消して寝るようにしましょう。
手軽さ重視な人におすすめ「ピローミスト」
手軽にアロマを楽しみたいなら、ピローミストを取り入れてみましょう。ピローミストとは、枕(ピロー)に使用する香りのミストのことです。
エッセンシャルオイルをあらかじめブレンドしたミストを枕に吹きかけると、心地良い香りに包まれてリラックスできます。シュッとひと吹きするだけで良いので、道具を用意したりするのが面倒な人でも楽しみやすいのがおすすめポイントです。
コンパクトサイズのものが多く、携帯して旅先などで使用することもできます。
まとめ
アロマの香りを嗅ぐと、副交感神経が優位になりやすく、脳や体がリラックスして寝つきやすくなります。なかなか眠れないのが悩みなら、アロマを取り入れてみてはいかがでしょうか。
リラックス効果が期待できるお気に入りの香りを見つけて利用すると、睡眠の改善に役立つでしょう。