「最近、なぜか眠れない」「寝ていても途中で目が覚めてしまう」とお悩みの方はいませんか。その睡眠に関する症状は、あなたのふとした日常生活での行動が原因になっているのかもしれません。
本記事では寝つきを悪くしたり途中で目が覚めてしまったりする原因や習慣を解説します。また、対処法や予防法もあわせて紹介するので、眠れなくて困っている方はぜひ参考にしてください。
【つい目が覚めてしまう…】眠れない原因は?
寝つきの悪さや熟睡できないことに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
休養を十分にとっていたとしても、日頃からのストレスや生活習慣が原因で寝つきが悪くなっている可能性も否定できません。
ここでは、眠れない症状を引き起こしてしまう「ストレス」「生活習慣」における原因を紹介します。
ストレスが溜まっているため
人間には、心や体の状態をコントロールする自律神経が備わっています。その自律神経は交感神経と副交感神経からなり、交感神経は緊張状態で優位に、副交感神経はリラックスした状態で優位になるようにお互いバランスを取りながら成り立っています。
通常、交感神経は日中の活動時に働き、夕方から夜にかけて徐々に副交感神経が優位になるように切り替わるのですが、ストレスによって心と体が緊張状態になっていると、副交感神経に上手く切り替えられず寝つきにくくなってしまうことがあるのです。
また、夜になると「あのとき、こんなことをしなければ良かった…」「自分がいった言葉で嫌な思いをさせてしまったかもしれない…」と、ついネガティブ思考になってしまう方もいるでしょう。夜に深く考え事をしてしまうことも、睡眠に大きな影響を及ぼします。
加えて、ストレスは仕事や人間関係が原因になりがちですが、「早く寝なきゃ」という焦りもストレスになってしまうので注意しましょう。
睡眠を妨げる習慣をとっているため
寝つきが悪かったり熟睡できなかったりするのは、何気なく行っている日常の習慣が影響を及ぼしていることも考えられます。たとえば、以下の項目が睡眠に影響を及ぼす習慣になります。
・生活リズムが定まっていない
・昼夜逆転の生活をしている
・夕食を取るのが遅い
・アルコールの摂取量が多い
・寝酒が習慣になっている
・カフェインを含む飲み物を寝る直前に飲んでいる
睡眠を促すために自律神経を上手く切り替えることが重要です。
自律神経を上手く切り替えるためには、生活リズムと体内時計のリズムを整えることが大切です。リズムを整えるためにも就寝時間と起床時間を毎日一定にしましょう。
そして、睡眠へと誘ってくれるホルモン「メラトニン」は朝日を浴びることで分泌が抑えられ、その15時間後ぐらいにまた分泌が増える仕組みになっています。
このホルモン分泌が上手く機能することで眠気がくるので、毎日しっかりと朝日を浴びるようにしてください。
そのほかにも、夕食が遅いと体が食べ物を消化中で睡眠モードに入れなかったり、アルコールのせいで眠りが浅くなったり、カフェインの利尿作用で途中何度も起きてしまったりすることもあります。
まずは、心当たりがある方は日常の習慣を見直すようにしましょう。
眠れないときにすぐ実践できる対処法
睡眠は心身を健康に保つ役割があります。睡眠不足が日常化してしまうと、疲れが取れにくくなったり、やる気がなくなったり、免疫力が低下したりと日常生活で支障をきたすようになります。
早く寝ようと焦るとますます寝むれなくなってしまうので、眠れないと感じたときには次の3つの対処法を試してみてください。
ツボを押す
人間の体には、さまざまな場所へとつながるツボがあります。ツボを刺激することで反射区と呼ばれる部分に起きている不調を改善へと導けるといわれているので、眠れないときは体にある快眠のツボを押してみましょう。
快眠のツボと呼ばれているのは、かかとの中心付近にある「失眠(しつみん)」と、手を軽く握ったときに人差し指と中指の先の間にある「労宮(ろうきゅう)」というツボです。
ツボを押すときは力を入れがちですが、押す力が強すぎると覚醒を促してしまうことがあるので、気持ち良いと感じる程度で留めておきましょう。
腹式呼吸をする
腹式呼吸は自律神経を整えて、副交感神経の働きを促進する効果が期待できます。眠れないときは腹式呼吸をして、心と体をリラックスした状態へと導きましょう。腹式呼吸は「4-7-8呼吸法」と呼ばれる方法がおすすめです。
簡単に実践できるので、ぜひ試してみてください。
【4-7-8呼吸法】
1.体にある息をすべて吐き出します
2.4つ数えながら鼻から息を吸い込みます
3.息を止めた状態で7つ数えましょう
4.8つ数えながらゆっくりと口から息を吐き出します
頭を冷やす
人は、体内の温度(深部体温)が下がることでだんだんと眠気がくるようになっています。気温が高く体が熱くて寝られないという場合は、保冷剤や氷枕などで冷やすと良いでしょう。
ただし、足先が冷えていると体内の熱が逃げにくくなるため、足首や足裏を冷やすのは逆効果です。冷やす場所は頭やおでこにあてて、ほてりを取るようにしましょう。
眠れなくなる前に試したいこと
眠れなくなってから対処する方法もありますが、できることなら寝つきの悪さを感じることなく、そのまま気持ち良く眠りたいと思っている人はいるでしょう。
ここでは、睡眠に至るまでに取り組めることについて紹介します。ぜひ睡眠前に取り入れて、スムーズに入眠できるようにしてください。
アロマを焚く
心地良い香りには、副交感神経の働きを高めてリラックスさせる効果があります。また、香りの成分は、自律神経やホルモンを司る「視床下部」へ直接働きかけ、脳の状態をより早く切り替えてくれる効果があります。
香りはボディクリームやヘアオイルなどを使っても取り入れられますが、眠りにつきやすい環境を整えるのであれば、部屋全体を心地良い空間にできるアロマを利用するのがおすすめです。
アロマはさまざまな香りがあるので、ぜひ自分の好みを見つけてみてください。特にベルガモットやラベンダーはリラックス効果が高いとされているため、睡眠前に向いています。
アロマはキャンドルタイプ・アロマストーン・加湿器に入れるタイプなどいろいろあるので、取り入れやすいものを活用しましょう。
寝る前にスマホを見ない
寝る前に強い光を浴びるのも、寝つきを悪くする原因のひとつです。寝る直前に強い光を見ることで交感神経が働き、脳が活性化して睡眠の質が低下します。
強い光は部屋の照明だけでなく、スマホやパソコンも含まれます。ベッドに入ったあとでSNSやメールをチェックする習慣のある人は、時間帯を変更するようにしましょう。スマホやパソコンを使うのは寝る30分前までにすることが大切です。
安眠できる環境を整える
寝室の環境や、寝るときに着用するパジャマは睡眠に適したものになっていますか。寝室の照明や寝具、湿度・温度、着用するパジャマによって、寝つきの良さや熟睡度は変わってくるため、睡眠に適した状態になるように調整しましょう。
照明
照明は白色ではなく、間接照明などの暖色系の明かりにすれば、睡眠へと誘うホルモンの分泌が高まります。
寝具
マットレスは、仰向けになった際に背骨がS字になり、立っているときと同じ姿勢を維持できるものがおすすめです。硬すぎる、もしくは柔らかすぎると腰や背骨に負担がかかるので、適切な硬さのものを選びましょう。
マットレスにそのままシーツを敷くと、睡眠中の汗がマットレスに吸収され、湿気を溜め込んでしまいます。マットレスに汗が吸い込まないように、吸湿性に優れたベッドパッドを敷きましょう。
掛け布団は寝返りが打ちやすいよう、素材が軽く、身体にフィットするようなものを選ぶのがおすすめです。
枕は高さが合っていないと、首や肩に負担がかかります。人によって適切な高さがあるので、実際に店頭で確認してから購入するようにしましょう。
湿度・温度
湿度は通年にかけて50~60%前後を保ちましょう。夏に湿気が気になる場合はエアコンの除湿機能を、乾燥が気になる時期は加湿器を利用して湿度を調節するようにしましょう。
寝室の温度は、夏場は26℃前後、冬場は16~19℃を目安に保つのがおすすめです。
パジャマ
パジャマは、締め付け感がなく、吸水性に優れているもの・体温調整ができるものを選ぶと安眠につながります。
まとめ
寝つきの悪さや熟睡できないなどの原因は、自律神経の乱れや日常生活の習慣、寝室の環境が関係していることが多いです。
今回ご紹介した対処法や予防法は、すぐにでも試せるものばかりなので、今日から取り入れて安眠できるようにしましょう。