眠れないときは呼吸法!自律神経を整えてぐっすり眠ろう

眠れないときは呼吸法!自律神経を整えてぐっすり眠ろう

ストレス社会の弊害は、睡眠にも影響を与えています。眠りたいのに眠れないときは、自律神経が乱れてしまっているのかもしれません。自律神経を整えて睡眠の悩みを改善するには、快眠に効果的な呼吸法を試してみましょう。

今回は、眠れないときに呼吸法がおすすめの理由と効果的な呼吸法のやり方について紹介します。

「眠れない」を「眠れる」に変えるポイントは副交感神経

眠れない原因として、自律神経の乱れが挙げられます。自律神経を整えるために呼吸法が重要な理由について見ていきましょう。

眠れないのはなぜ?

眠りにつけない理由の多くが、ストレスや外的刺激で自律神経が乱れることによるものです。

交感神経と副交感神経からなる自律神経は、呼吸や血流、消化、免疫、体温調節などの生命維持活動に重要な機能を司ります。

自律神経のバランスが乱れて血液のめぐりが悪くなると、全身のすみずみまで血液を届けられません。血液循環が悪くなると冷えやむくみが生じることもあり、さらに睡眠不足の状態に陥りやすくなるのです。

残業で遅くまで仕事をしていたり、スマホやパソコンを就寝前に見ていたりすると、交感神経が活発になり、眠りにくくなってしまいます。また、自律神経は運動不足や気圧の変化でも乱れてしまうため、注意しましょう。

眠るためにはどうすれば良い?

交感神経が活発なままでは、目が冴えてしまったり、不安な気持ちが入眠を妨げてしまったりする場合があります。

眠りにつくためには、リラックスして心を落ち着けて、交感神経から副交感神経へと切り替えることが重要です。

そこでおすすめなのが手軽にできる呼吸法です。なかなか眠れないときは、自律神経を整える呼吸法を取り入れてみましょう。

副交感神経を優位にさせる「呼吸法」とは?

副交感神経を優位にさせるためには呼吸法が役立ちます。

ストレスを抱えているときなどは、呼吸が浅くなってしまいがちです。呼吸法によってゆっくりと深い呼吸することで、副交感神経が優位になり心を落ち着かせることができます。

また、呼吸法は心を休める効果だけではなく、血流の改善も期待できます。深い呼吸は、内臓など体内を刺激するマッサージのようなものです。血液循環が整い、体の深部体温が低下することで、眠りやすくなります。

眠れる呼吸法1「腹式呼吸法」

自律神経を刺激する、腹式呼吸法について解説します。

どんな呼吸法?

腹式呼吸は一般的な深呼吸の方法です。そわそわして落ち着かない、イライラするときなどに行うと良いでしょう。

腹式呼吸は、深く息を吸うことで横隔膜が上下し、自律神経が刺激されます。横隔膜の刺激により副交感神経が優位になると、眠りにつきやすくなります。

仰向けになるとより腹式呼吸がしやすくなるので、体勢を整えてリラックスして行いましょう。眠くなったらそのまま寝てしまっても大丈夫です。

呼吸の仕方

1.仰向けに横になり、大きく伸びを行う
2.力を抜いてリラックスし、足を楽な幅に開いて両手をお腹の上に乗せる
3.3秒数えながらゆっくりお腹を膨らませるように息を吸う
4.6秒数えながらゆっくりお腹をへこませるように息を吐ききる
5.吸って吐くを1セットとし、10セット行う

横隔膜の膨らみを意識しながら、お腹を膨らませるようなつもりで腹式呼吸を行うのがポイントです。

眠れる呼吸法2「4-7-8呼吸法」

数を数えながら行う4-7-8呼吸法について解説します。

どんな呼吸法?

4-7-8呼吸法とは、アリゾナ大学医学部のアンドリュー・ウェイル教授が提唱した呼吸法です。ヨガの瞑想で行う呼吸法を応用し、呼吸をしながら4、7、8と数えていきます。

4-7-8呼吸法をすることで、心身の緊張を和らげ、安眠に導きやすくなるでしょう。さらに、不安や怒りの感情コントロールする効果も期待できます。

呼吸の仕方

1.仰向けで横になるか、楽な姿勢で座る
2.前歯の裏側に舌先を当て、リラックスをする
3.体内の息をすべて吐き出して、肺を空っぽにする
4.鼻から4秒数えながら息を吸い込む
5.7秒間息を止める
6.唇をとがらせ、8秒数えながら口から息を吐ききる
7.吸って吐くまでが1セット。3~4セット繰り返す

1日2回からはじめていきましょう。ただし、4回以上のサイクルは、体に不調をきたすおそれがあるため無理のない範囲で行ってください。

4-7-8呼吸法のコツは、規則正しく呼吸を続けることです。もし、長く呼吸ができない場合は、2秒で吸って、3.5秒息を止め、4秒で息を吐くなど、比率はそのままにして秒数を短くしても問題ありません。慣れてきたら少しずつ呼吸を深めましょう。

眠れる呼吸法3「丹田呼吸法」

へその下にある丹田(たんでん)を意識した丹田呼吸法について解説します。

どんな呼吸法?

丹田呼吸法は、ヨガでも用いられる基本的な呼吸法です。へその下数センチにある「丹田」は、気が集まる場所といわれています。丹田を意識した呼吸を行うことで、副交感神経が刺激されてストレスが和らぐ効果が期待できます。

呼吸の仕方

1.あぐらをかいて床に座る
2.背筋を伸ばして目を閉じ、右手もしくは両手を丹田にあてる
3.丹田に意識を集中し、体内の空気をすべて口からゆっくりと吐き出す
4.鼻から空気をゆっくりと吸い、長めに口から吐き出す。吸ったときにお腹が膨らみ、吐き出したときにお腹がへこむように意識する
5.吸って吐いてを10回繰り返す

丹田を意識するために、へその下に手を置いて行ってみるのもおすすめです。ゆっくりとした呼吸を繰り返し、体をリラックス状態へ導きましょう。

眠れる呼吸法4「大の字呼吸法」

腹式呼吸よりも簡単な大の字呼吸法について解説します。
    

どんな呼吸法?

大の字呼吸法は、横になった状態で行えるので、布団の中でもできる呼吸法です。全身をリラックスさせる効果が期待できるため、自然な眠りを誘発します。簡単にできるので、ほかの呼吸法が難しい人におすすめです。

呼吸の仕方

1.仰向けに寝転び、足を肩幅より広めに、両手は脇と腕の間に隙間ができるように軽く開き、大の字になる
2.両手のひらを天井に向けて体の力を抜く
3.体が沈み込むイメージで息を吐く
4.体が浮かび上がるイメージで息を吸う
5.心地よくなるまで呼吸を繰り返す

眠れる呼吸法5「片鼻呼吸法」

眠りが浅い人におすすめの片鼻呼吸法について解説します。

どんな呼吸法?

片鼻呼吸法はヨガで用いられる呼吸で、片方の鼻を閉じ、もう片方の鼻だけで呼吸をする方法です。右の鼻は交感神経、左の鼻は副交感神経に通じているといわれています。

片鼻呼吸法により左鼻の通りがよくなることで、副交感神経が優位に働き、落ち着くことができます。

呼吸の仕方

1.左手の人差し指で右の小鼻を押さえ、左鼻から4秒かけて息を吸う
2.左手の親指で左の小鼻を押さえ、右鼻から4秒かけて息を吐ききる
3.左手の親指で左の小鼻を押さえたまま、右鼻からゆっくり息を吸う
4.左手の人差し指で右の小鼻を押さえ、左鼻から4秒かけて息を吐ききる

鼻を押さえる手は、左右どちらでも構いません。片鼻ずつゆっくりと呼吸を繰り返すことで、脳に酸素がたっぷり届き、眠りが深くなります。鼻の通りが悪い人は、副交感神経に通じている左鼻の通りを良くしましょう。

まとめ

眠れない主な原因は、ストレスや外的刺激による自律神経の乱れです。睡眠の質を上げるためには交感神経から副交感神経へのスムーズな切り替えが大切です。

呼吸法には、副交感神経を優位にする働きがあります。眠れないときは、腹式呼吸法や丹田呼吸法、片鼻呼吸法などの呼吸法を取り入れて自律神経を整えましょう。

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