布団のなかで何度も寝返りを打ちながら、眠れない夜にイライラしたことはありませんか。睡眠不足で朝を迎えた日は身体に疲れを感じやすく、昼間の活動にも影響を及ぼします。
たびたび起こる眠れない日に、少しでも疲労を取るための手段としておすすめなのが「目を閉じる」ことです。目を閉じるだけで、休息効果があるといわれているものの、本当に効果があるのか疑問の思う方もいるでしょう。
今回は、目を閉じるだけで休息効果があるのか、メリット・デメリットやしっかり入眠するための方法について紹介します。
眠れないときは「目を閉じる」だけでも休息効果を得られる
休む手段がこれまで睡眠のみだと思っていた方は、「目を閉じるだけで休息効果が得られるなんて本当?」と疑問を感じているのではないでしょうか。
まずは目を閉じるだけで身体的な休息を得られる理由を詳しく解説していきます。
目の疲れを緩和できる
実は、視界に入るものや風景に対して眼球は無意識にピント調節を行っています。つまり、目を開けているだけで疲労は蓄積されているのです。
目を閉じると光はほとんど遮断されます。眼球の運動も抑えられるため、目を閉じるだけで目の疲れを緩和できるでしょう。
また、目を閉じていると、眼球全体に涙が行き渡ります。涙は眼球に養分や水分を与える働きがあるため、疲労回復に期待できるでしょう。
眠れないときは、目を閉じるだけでも体に数多くのメリットがあります。
脳への負担を軽減できる
人間は、情報の8割を視覚から得ているといわれています。目は脳と密接な関わりがあるため、目を休めることは脳を休めることにもつながるでしょう。
また、目を閉じている間は脳がリラックスし、ストレスを感じていない状態で現れるα波(アルファ波)に切り替わることがわかっています。
α波はストレスの解消や脳の活性化、免疫力の向上など、心と身体にとってプラスの効果が期待できる脳波です。
目を閉じるだけでも脳の負担を軽減し、休息を得られると考えられるでしょう。
横になって目を閉じるとリラックス効果が高まる
副交感神経が優位に働き、疲労を和らげるためには、脳がリラックス状態であることが必要です。起きている間であっても、副交感神経が優位になれば同様の効果が期待できます。そのため、眠れなくても目をつぶって、落ち着いた時間を過ごすことが大切です。
横になって目を閉じることは、目や脳以外にも良い影響を与えています。たとえば、肝臓や腎臓の血流増加です。横になって休んでいるだけで老廃物の代謝や排出が活発になるといわれています。
眠れないときは、睡眠のことばかり考えるのではなく、好きなことや楽しいこと、朝になってからしたいことなどを思い浮かべてみるのもおすすめです。脳がリラックスできる精神状態が大切であるとおさえておきましょう。
眠れないときに「横になって目を閉じる」ことにはデメリットもある
横になって目を閉じるだけで休息効果が得られる理由を解説してきましたが、この方法にはデメリットもあります。
ベッドを眠れない場所と認識してしまう
脳は、場所と行動を結び付けて覚える傾向があるといわれています。
たとえば、尿意のない状態でもトイレの前に立つとなんだか尿意を感じ始める、という経験のある方は多いでしょう。これは、「トイレは排せつをする場所」という「条件付け」によるものです。
睡眠の場合でも、条件付けは起こります。本来寝る場所であるベッドの上で、テレビを見たりスマートフォンを触ったりして眠らない時間を長く過ごすと、「ベッドは眠れない場所」として脳が認識してしまうことがあります。
そのため、ベッドで眠れないまま目を閉じているだけだと、かえってスムーズな入眠を妨げてしまうかもしれません。
ベッドで眠れなくなるのを避けるためには、普段からベッドを寝る以外の用途で使わないことが大切です。スマートフォンやゲーム、読書など、本来ソファなどで行うべきことをベッドでは行わないよう気を付けましょう。
寝付けないことにストレスを感じてしまう
眠れないときに目をつぶることで目や脳の負担は改善できます。しかし、眠れないまま長い夜を過ごすこと自体がストレスになる場合があるため、注意が必要です。
人はストレスを感じると、交感神経が活発になります。血圧が上がり、内臓の機能が活発になるので、興奮状態となった脳はなかなか休まりません。眠ろうとすればするほど焦りや不快感が高まり、心地良い入眠からは遠ざかってしまうでしょう。
眠れない日は、眠れないことを重く考えすぎず「誰にでもあること」と長い目で向き合っていく必要があります。ただ横になっている時間がストレスになるのであれば、起き上がって静かに過ごすというのも選択肢のひとつです。
目を閉じるだけでは足りない。しっかり入眠するための方法
目を閉じるだけでも休息効果はあるとはいえ、朝までの長い時間をじっと目を閉じて過ごすのはつらいと感じる方もいるのではないでしょうか。できることなら、しっかりと入眠したいですよね。
ここからは眠りにつくための方法をいくつか紹介します。自身を心地良い眠りへと導くために、ぜひ試してみましょう。
呼吸法で自律神経を整える
質の良い眠りを得るためには腹式呼吸が効果的です。腹式呼吸することで自律神経が整い、身体の回復を助ける副交感神経を働かせます。
腹式呼吸のなかでもおすすめなのは、誰でも試しやすい「4-7-8呼吸法」です。数を数えながら息を吸って吐き出すこの呼吸法は、心と身体のリラックス効果を得られやすいといわれています。
「4-7-8呼吸法」の方法は以下のとおりです。ぜひ実践してみましょう。
- リラックスした状態になり、息をすべて吐き出す
- 4秒数えながら鼻から息を吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒数えながら口から息を吐き出す
そのほか、眠れないときにおすすめの呼吸法については、以下の記事でも紹介しています。
内部リンク 「№2_眠れ ない 呼吸 法」
心身の不調を改善するツボを押す
身体にある心身の不調を改善するツボを押すのもおすすめです。快眠をもたらすツボで代表的なものは次のとおりです。
ツボ
ツボの位置
効果
百会
(ひゃくえ)
頭頂部
自律神経を整え、不眠を改善する
労宮
(ろうきゅう)
手のひらの中心部
血行促進、ストレスを緩和する
失眠
(しつみん)
かかとの膨らみ中央
不眠の解消、足の疲れに効果がある
内関
(ないかん)
手首内側
自律神経を整え、消化機能を改善する
ツボを押すときのコツは、力を入れすぎず心地良いと感じられる程度の強さで押すことです。テレビを見ている最中や、横になりながらできるので、取り入れやすいのではないでしょうか。
快眠のツボについてもっと詳しい解説は以下の記事で紹介しています。
内部リンク 「№1_眠れ ない ツボ」
アロマを焚いてリラックスする
眠る前の落ち着いた時間におすすめなのが、アロマを焚くことです。鼻から取り込んだ香り成分は、脳の視床下部へダイレクトに働きかけ、副交感神経が優位になることをサポートします。
ラベンダーの香りは、睡眠に効果のある香りとして定番です。そのほかにもカモミールやベルガモットも人気があります。
入眠しやすいといわれているアロマを選ぶのも良いですが、リラックス効果を得るためには「自分が好きな香り」を選ぶことがもっとも大切です。
アロマは焚くタイプのほかにスプレーやクリームなどもあります。続けやすく、リラックスしやすい方法で試してみてください。
快眠グッズを使用する
眠れないときには、睡眠をうながしてくれる快眠グッズの活用もおすすめです。
目の疲れの緩和には、目の周りの血流を向上させるアイピローを使いましょう。たとえ眠れなかったとしても、目が温まり筋肉も緩むため、眼精疲労の回復効果が期待できます。
また、アイピローを使えば外部の光を遮断できるため、眠りにつきやすくなるでしょう。
まとめ
私たち人間にとって、睡眠は欠かせないものです。しかし、なんらかの理由によってうまく眠れない日もあるでしょう。そんな日は、無理に眠ろうとするのではなく、少しでも疲労回復できるように目を閉じてみるのがおすすめです。
目を閉じ、目や脳の負担を軽減させながら、しっかり入眠できるように心身を整えて過ごしてみてくださいね。