人間は睡眠によって脳や体を休ませて疲労回復を図るため、朝起きたときに体がすっきりしているはずです。
しかし、長時間寝ているのにすっきりしない、朝起きたときにだるさを感じるなど、寝た気がせず困っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、きちんと睡眠を取っているのに寝た気がしない原因や、熟睡するために心がけたい生活習慣について解説します。
寝た気がしないのは「熟睡」してないから
しっかり睡眠を取っても寝た気がしない原因の多くは、睡眠の質が悪く浅い眠りが続いていて、熟睡できていないことです。
熟睡できていれば、朝目が覚めたときに体がすっきりしています。昼食後などの軽い眠気を除き、日中に強い眠気やだるさは感じないでしょう。
しっかり寝ているのに朝起きるとだるい、日中に眠気を感じるなどの場合、眠りを誘発する「メラトニン」というホルモンの分泌が抑制されている可能性があります。
熟睡できない原因は主に5つ
寝た気がしない原因の多くは熟睡できていないことですが、どうして熟睡できないのでしょうか。しっかり眠るためにも、熟睡できない原因を把握しておきましょう。
生活リズムの乱れ
熟睡できない原因のひとつが、生活リズムの乱れです。毎日就寝時間が違う、日光を浴びない、朝食を抜くなどで生活リズムが乱れると、体内時計も乱れます。
体内時計は、日中は体を活動的に、夜は休息状態にする役割をもちます。体内時計が乱れると、夜中に目が覚めたり朝起きるのがつらくなったりします。
体内時計を正常に働かせるためは、毎日同じ時間に起床・就寝する、日光を浴びる、朝食を取るなど、規則正しい生活を送ることが重要です。
就寝直前の食事や入浴
食事や入浴のタイミングも、睡眠の質に影響します。就寝直前に飲食をすると、消化・吸収のために脳が働いて、目が覚めてしまうためです。42℃以上の熱いお風呂に浸かる、長時間入浴するなども、体を目覚めさせてしまいます。
熟睡したい場合は、就寝時間の2~3時間前までに食事を済ませ、38~40℃くらいのぬるめのお風呂に浸かるようにしましょう。
カフェイン・アルコール
カフェインやアルコールの摂取も、熟睡できなくなる原因です。カフェインには覚醒作用・利尿作用があります。
カフェインを摂取すると寝つきが悪くなったり、夜中トイレに行きたくなって目が覚めたりしやすくなるのです。睡眠の質を上げるなら、夕方以降はカフェインを取らないよう心がけましょう。
また、寝酒も避ける必要があります。アルコールにも覚醒作用・利尿作用があるためです。
アルコールを摂取すると、寝つきが良くなると感じる人もいるかもしれません。しかし、実際には眠りが浅くなったり、トイレに行きたくなって目が覚めたりして、熟睡しにくくなります。
ストレス・病気・薬の影響
ストレスや病気、薬の影響で、熟睡できないケースもあります。ストレスを感じると、緊張によって体を活動的にする交感神経が優位になるため、寝つきが悪くなってしまうのです。
喘息・花粉症・アレルギーなどの症状が原因で、眠りが浅くなることもあるでしょう。また、服用している薬に覚醒作用があり、熟睡できない場合もあります。
十分に睡眠時間を取っているのに寝た気がしない場合、睡眠障害に陥っている可能性もあるため、一度医師に相談してみましょう。
スマホ・パソコン
スマートフォンやPCの使用も、熟睡できなくなる原因です。
就寝前にスマートフォンやPCを使っていると、強い光によって脳が日中だと錯覚し、メラトニンの分泌が抑制されて熟睡しにくくなるのです。
熟睡するためには、就寝の1~2時間前くらいからスマートフォンやPCを触らないよう心がけましょう。また、ナイトモードをONにして明るさを抑えるのもおすすめです。
熟睡するために心がけたい生活習慣
熟睡できない原因の多くは、生活習慣の乱れによるものです。少しずつで良いので、熟睡しやすくなる生活習慣に変えていきましょう。
ここでは、寝つきを良くするのに心がけたい生活習慣について紹介します。
朝起きたら日光を浴びる
熟睡するために心がけたい生活習慣のひとつが、朝起きたら日光を浴びることです。地球は1日24時間周期で動いていますが、人体の体温やホルモンの分泌などを調整する体内時計は、25時間周期で働いています。
1時間のズレが、日光を浴びることによって調整されるのです。また、日光を浴びるとメラトニンの原料となるセロトニンが作られるため、眠りが誘発されやすくなります。夜に眠気を感じにくい人は、朝起きたら日光を浴びる習慣を身につけましょう。
軽い運動やストレッチをする
軽い運動やストレッチも、睡眠の質の向上に効果的です。適度に運動をすると体が睡眠を欲するため、寝つきが良くなり熟睡できるといわれています。定期的に運動する習慣がある人は、不眠が少ないという研究結果もあるのです。
ただし、激しい運動や就寝直前の運動は、体を興奮させて目覚めさせてしまうので注意しましょう。
香りや音楽でリラックスする
体が緊張状態にあると熟睡しにくくなるので、香りや音楽でリラックスするのも良いでしょう。アロマやお香など、好きな香りを嗅ぐと自律神経のバランスが調整され、リラックスできます。
オルゴールやクラシック、自然音など、脳をリラックスさせる音楽を聴くのもおすすめです。
毎日同じ行動を取るよう習慣づけると、それが「入眠儀式」として定着します。その行動をするだけで、眠気が誘発されるようになるでしょう。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲むのも、体を温めてリラックスさせるのに有効です。カフェインを摂取すると睡眠の質が下がるので、白湯やホットココア、ノンカフェインのハーブティーなどを飲むようにしましょう。
牛乳や豆乳、ケール、バナナジュースなど、トリプトファンを含む飲み物を意識して飲むのもおすすめです。トリプトファンはメラトニンの材料になるため、睡眠の質の向上に役立ちます。
ただし、トリプトファンは生成に時間がかかるので、就寝前だけでなく、毎食摂取したほうが良いでしょう。
睡眠時間にこだわらない
毎日同じ時間に就寝したほうが、体内時計が正常に働きやすくなり、睡眠の質が上がります。
しかし、「〇時間寝ないといけない」とプレッシャーを感じると、かえって寝つきにくくなることがあるので、睡眠時間にこだわりすぎないようにしましょう。睡眠時間にこだわりすぎると、起きた後まで影響しまいます。
また、「睡眠時間は8時間が理想」などといわれますが、長時間眠れば良いわけではありません。
人間の睡眠時間は、年齢や季節などによって変化するものです。たとえば、10歳くらいまでの子どもの睡眠時間は8~9時間くらいとされていますが、65歳を過ぎると6時間程度に減っていきます。
人間の体内時計が加齢によって変化し、睡眠をサポートする体内の機能が前倒しされるためです。
また、「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」といったように、短時間の睡眠で事足りる体質の人や、長時間寝ないと寝た気がしない体質の人もいます。
最適な睡眠時間は人それぞれなので、「理想の睡眠時間」の情報を気にしすぎず、自分に最適な睡眠時間を考えてみましょう。
まとめ
しっかり寝ても寝た気がしない原因の多くは、熟睡できていないことです。生活習慣が乱れていたり、就寝直前に食事や入浴する生活をしたりしていると、熟睡しにくくなります。
寝た気がしなくて困っている方は、朝起きたら日光浴びる、定期的に軽い運動やストレッチをするなど、睡眠の質を上げる生活習慣を身につけましょう。