仕事や家事、育児に追われていると、睡眠のリズムが不規則になって眠りが浅くなることがあります。
「寝ようとしても眠れない」「夜中に何度も起きてしまう」など、眠りが浅いことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
深い睡眠を取るために生活リズムを整えることも大切ですが、サプリメントで深い睡眠へ導く成分を摂取するのもおすすめです。
今回は、眠りが浅いときにおすすめのサプリの成分4つと、飲み方の注意点や深い睡眠につながる生活習慣について紹介します。
眠りが浅いときに良いサプリの成分は?
眠りが浅い原因には、栄養不足にある可能性があります。バランスの良い食事を摂ることはもちろん、サプリメントで眠りの質を高める成分を補うのも効果的です。
では、具体的にどのようなサプリの成分を摂取すれば良いのでしょうか。まずは、眠りが浅いときに摂りたいサプリの成分を4つ紹介します。
グリシン
眠りが浅いときにおすすめのサプリの成分として、「グリシン」が挙げられます。グリシンは、たんぱく質を構成する非必須アミノ酸の一種で、体内で合成することが可能です。
脊椎や脳幹などの部位に多く存在し、中枢神経において抑制系の神経伝達物質として働く作用があります。
グリシンには、血管を拡張させて体内の熱を発散し、深部体温を下げる効果があるとされています。深部体温が下がると自然と入眠しやすくなるので、睡眠の質の向上も期待できるでしょう。
深い睡眠に導いてくれるため、すっきりとした起床や日中の眠気対策を兼ねて摂取すると良いでしょう。
テアニン
テアニンは、深い睡眠に導いてくれるサプリの成分です。体内でたんぱく質に再合成されることなく存在している「遊離アミノ酸」と呼ばれるもので、お茶などにも含まれています。
テアニンには、副交感神経を優位に働かせ、緊張を緩和させてくれる作用があります。
テアニンを摂取すると脳の興奮が抑えられ、リラックス効果や深い眠りへ導いてくれる作用があるといわれています。
また、眠りが浅いときだけでなく、集中力を持続させたい場合に摂取するのもおすすめです。
GABA
GABAは、たんぱく質を合成しない遊離アミノ酸の一種で、グルタミン酸から生成されます。人間の体内に存在しているものですが、発酵食品や発芽玄米などさまざまな食品に含まれています。
GABAは、脳内で抑制性神経伝達物質として働く作用があり、摂取すると不安や興奮状態を抑え、睡眠に入りやすくなるといわれています。
近年では、サプリだけでなくドリンクやチョコレートなど、さまざまな食品に含まれている成分です。
トリプトファン
トリプトファンは、たんぱく質などにも含まれる必須アミノ酸の一種で、体内で合成することができないため食品などから補わなければならない栄養素のひとつです。
トリプトファンは、脳に運ばれるとビタミンB6やマグネシウム、ナイアシンなどとともに、セロトニンを生成します。
セロトニンは、精神を安定させて寝つきを良くする作用があるといわれている神経伝達物質です。
さらに、セロトニンが松果体でメラトニンに変換されると、体内時計を調整して睡眠サイクルの正常化へ導いてくれるとされています。
トリプトファンは、牛乳や乳製品、大豆製品、ナッツ類などに多く含まれています。
眠りが浅いときにサプリを飲む際の注意点
ここからは、眠りが浅いときにサプリを飲む場合の注意点やサプリを摂取するポイントについて解説します。
眠りの浅さを改善するために効果的な成分を含むサプリを飲んだとしても、即効性は期待できません。
即効性は期待できない
サプリは栄養補助食品であり、食事で不足している栄養素などを補うためのものだからです。
睡眠薬のように飲んだ後に眠気がくるというものではなく、あくまでサポートとして飲むものであることを意識しておきましょう。
一方で、普段から深い睡眠に導く栄養素が食事で不足しているケースでは、継続してサプリで補い続けていれば睡眠の質が改善する可能性があります。
睡眠をサポートしてくれるものとして活用しながら、眠りを妨げる生活習慣などを改善していくことが大切です。
用法用量を守る
サプリは薬ではないとはいえ、適切な量を摂取する必要があります。栄養素には一日の摂取目安量があり、サプリ以外にもほかの食事や飲み物などから摂取している可能性があるためです。
必要量を摂取できているにもかかわらずサプリを飲むと、摂取量オーバーになってしまいます。
成分によっては過剰摂取してしまうことで体調を崩す原因になる可能性があるため、食事や飲み物からの摂取量に合わせてサプリを活用しましょう。
眠りが浅いときはサプリ以外にも対策を!
普段の眠りが浅い場合、サプリで睡眠の質を高めてくれる成分を摂取していても改善しないことがあります。
特に、生活習慣が原因で眠りが浅くなることも多いため、サプリに加えて眠りの質を高める対策を意識すると良いでしょう。
ここからは、眠りが浅いときに意識しておきたい、サプリの摂取以外でできる対策方法について紹介します。
入浴をする
眠りが浅いときは、入浴時に湯船にゆっくりとつかるのも対策方法のひとつです。人は、体温が下がるときに眠気を感じるようになるため、一度しっかりと身体を温めることが深い眠りにつながります。
入浴時は、熱すぎないややぬるめのお湯(40℃程度)に10~15分程度つかるのが効果的です。入浴は就寝の1~2時間前が良いとされているため、入浴するタイミングを意識してみるのも良いでしょう。
リラックスできる香りのアロマオイルや、血行促進につながる入浴剤を活用するのもおすすめです。
運動をする
適度な運動を取り入れることも睡眠の質向上につながります。軽い運動を夕方ごろに行い、食後に入浴すれば、適度な疲労感でぐっすりと眠れるようになるでしょう。
適度な運動をすると寝つきが良くなるため、夜中に起きてしまうことも少なくなるといわれています。
ただし、激しい運動はかえって眠りを妨げてしまうおそれがあるため、ウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を行うことが大切です。
また、就寝直前に運動を行うと脳が興奮状態になって寝入りづらくなってしまうため、運動のタイミングにも注意しましょう。
就寝前の行動に気をつける
就寝前の行動を見直してみることも、睡眠の質を上げる対策として有効です。たとえば、カフェインやアルコールなどの摂取を避けるなど、摂取するものに注意する方法があります。
カフェインには覚醒作用があり、就寝前にカフェインが含まれるコーヒーや紅茶、緑茶などを飲むと目が覚めてしまう可能性があるので、控えるようにしましょう。
また、アルコール摂取直後は眠気が誘発され眠りやすくなりますが、体内はアルコールを分解するために働き続けている状態です。そのため、眠ることはできても眠りが浅い、トイレに行きたくなって起きてしまう、など、睡眠の質が低下する原因になることがあるので注意しましょう。
そのほか、就寝前にスマホやパソコン、テレビなどの強い光を発するもの見ないようにすることも大切です。
人間の体内時計は、日中は活動時間と認識して活動状態になり、夜暗くなると休息時間と判断して眠くなるというサイクルを繰り返します。
スマホなどの強い光が刺激となって体が休息状態にならず、覚醒してしまうことがあるので就寝前は避けるようにしましょう。
まとめ
眠りが浅いときは、生活習慣を見直してみることが大切です。睡眠を妨げる行動をとっていないか振り返りながら、サプリを睡眠のサポートとして活用すると良いでしょう。
ただし、成分の過剰摂取には注意が必要です。まずは、食事内容を見直して栄養をバランス良く摂ることから始める必要があります。