仕事中に眠くなってしまい、困っている方も多いのではないでしょうか。眠気のせいで集中力が落ちてしまうと、業務がはかどらなくなります。気づかない間に居眠りしてしまうかもしれません。そうならないうちに、仕事中の眠気を何とかしたいところです。
ここでは、仕事中に眠くなる原因とその対処法について解説します。
仕事中に眠くなる原因
まずは、仕事中に眠くなる主な原因について見ていきましょう。
睡眠不足・ストレスの蓄積
睡眠時間が足りていないと、どうしても昼間に眠くなってしまいます。夜遅くまで起きている日が多い人は、睡眠不足が原因の可能性が高いです。
また、睡眠時間は足りていても睡眠の質が低くて睡眠不足になることもあります。眠りが浅いと、なかなか疲れが取れません。しっかりと睡眠時間を確保したはずでも、仕事中に眠くなってしまいます。
特に、就寝前にアルコールを摂取する習慣がある人は要注意です。寝酒をすると寝つきが良くなる場合があるものの、体内ではアルコールの分解が行われ、覚醒作用を引き起こすため、かえって睡眠リズムが崩れてしまいます。
また、寝る前にスマホやパソコンを見るのも、睡眠の質を低下させる原因になります。強い光を浴びることで、睡眠を促すホルモンの分泌を抑えてしまい、眠りを妨げてしまうためです。
ストレスも睡眠不足の原因になります。ストレスを抱えていると、交感神経が優位になってしまい、なかなか寝つくことが難しくなるでしょう。
血糖値が上昇している
血糖値が急激に変動すると眠気を催します。昼食を食べた直後に眠くなることが多い場合には、血糖値の変動が原因の可能性が高いです。
人間の体は基本的に血糖値が低いときの方が眠くなります。血糖値が高い状態のときは、眠くなることはあまりありません。しかし、血糖値が上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されて、下げられる仕組みになっています。
昼食で炭水化物の多いものを食べると血糖値の上昇が激しくなるため、インスリンの分泌量も増え、眠気が強くなるのです。
室内の二酸化炭素濃度が高い
二酸化炭素濃度が濃い環境下では眠気に襲われます。オフィスなどでは、大勢の人がいて密室になっているでしょう。人間が呼吸をすることで、酸素が消費されて二酸化炭素が増えるため、オフィスの中は二酸化炭素濃度が上昇しやすくなります。
あまり換気をしていない場合や、人数に対してオフィスの面積が狭い場合には、この傾向が特に強いです。会議室だと、ドアや窓が閉められた密閉された空間であることから、室内の二酸化炭素濃度が濃くなりやすいです。
午後に会議をするときには、血糖値の急激な変化による眠気と相まって、かなり強い睡魔に襲われることもあるでしょう。
仕事中に眠くなったときの対処法
仕事中に眠くなって困ったときには、次のような眠気覚ましの方法を試してみましょう。
カフェインを含むドリンクを飲む
カフェインには眠気を覚ます効果があります。少しくらい眠いときでもカフェインを含むドリンクを飲むことで、眠気を感じにくくなるでしょう。
主にコーヒーや玉露、煎茶、紅茶などにカフェインが含まれています。
カフェイン入りのドリンクを飲むときには、タイミングも大事です。カフェインの効果は飲んでから30分後に現れ、それ以降は少しずつ弱まっていきます。そのため、大事な会議があるときなどは、直前に飲んでおくのが望ましいでしょう。
ただし、カフェインの摂りすぎは、身体に悪影響を及ぼすこともあります。夜中の睡眠でかえって寝つきが悪くなってしまうため、常にカフェイン入りのドリンクばかり飲むのは避けましょう。コーヒーなら、1日3杯くらいまでに抑えておくのがベストです。
ガムを噛む
噛むという動作は脳を刺激するため、眠気覚ましになります。眠くてぼんやりしているときでは、ガムを噛めば眠気を抑えられるでしょう。
ガムを噛むことで血液の循環も良くなる効果が期待できるため、頭の働きも良くなります。集中力が増したり、アイデアが思い浮かびやすくなったりして、仕事が捗るでしょう。
換気をする
換気をすることで、室内に充満した二酸化炭素が外に出ていき、新鮮な空気を取り入れることができます。二酸化炭素濃度が薄くなるため、眠気も抑えられるでしょう。
また、外の空気を吸うことでリフレッシュ効果も期待できます。休憩時間などには、なるべく外に出てみるのが良いでしょう。直接外の風を浴びて、日光に当たることで眠気が吹き飛び、休憩後の仕事に備えられます。リフレッシュすれば、集中力も上がるでしょう。
仕事中に眠くならないようにするためにはどうすべきか
眠気覚ましの方法を試してみても、なかなか眠気がとれない人もいるでしょう。
その場合には、仕事中に眠くなる根本的な原因を解消し、眠くならないようにする必要があります。
ここでは、仕事中に眠くならないための対処法について紹介します。
十分な睡眠をとる
睡眠時間は7時間前後確保するのが望ましいです。普段の睡眠時間が7時間よりも短ければ、睡眠不足といえます。そのため、毎日7時間の睡眠時間を確保するようにしてみましょう。
とはいえ、毎日7時間程度の睡眠を取っていても、仕事中に眠くなる人もいるかもしれません。その場合には、睡眠の質に問題がある可能性が高いです。
睡眠の質を高めるには、アルコールやカフェインの摂取、寝る前のスマホの使用を控えることが大切です。
前述したとおり、アルコールとカフェインには覚醒作用があるので、就寝前に摂取すると眠りが浅くなるおそれがあります。どちらも利尿作用が含まれていることから、夜中トイレに行きたくなって目が覚めやすくなります。
また、スマホの強い光で目が覚めてしまわないように、就寝1時間前までに使用するようにしましょう。
食事を見直してみる
睡眠の質を良くするために、食事は一日三食とるのが理想です。
特に、朝食は抜かずにきちんと食べるようにしましょう。朝食を抜くと、日中に活動するためのエネルギーが不足してしまい、かえって睡眠の質が下がってしまいます。
朝食を食べてない分、空腹感が増してしまい、昼食の量が多くなってしまうこともあるでしょう。その結果、昼食後の血糖値の急上昇を招いているかもしれません。
朝食をとることで、脳や身体を目覚めさせ、生活リズムを整えられます。
また、昼食については、メニューを見直してみる必要があります。昼食ではついラーメンやパスタ、丼ものなどの1品ものを選ぶ人も多いでしょう。これらのメニューは炭水化物が多く含まれるため、食後の血糖値を上昇させやすいです。そのため、お米やパン、麺類の量はなるべく減らすように心がけましょう。
白米の代わりに玄米にしたり、先にサラダなどの野菜から食べたりすることで、血糖値の急上昇を抑えられます。
夕食をとる際は、寝る直前に食べないようにしましょう。就寝前に食べると、消化吸収のために内臓が活動してしまうため、疲れが取りにくくなったり、睡眠の質が悪くなったりするおそれがあります。そのため、夕食はできるだけ就寝の2時間前までにはとるようにしてください。
もし夕食の時間が遅くなってしまう場合は、消化に良いものを食べるようにしましょう。
まとめ
仕事中に眠くなるのは、多少のことなら誰にでもよくあることです。一時的なものであれば、カフェインを含むドリンクを飲んだり、ガムを噛んだりして凌ぐことができます。換気や外を少し歩いてみるのも良いでしょう。
しかし、普段から仕事中に眠いことが多い場合には、睡眠や食生活に問題があるのかもしれません。睡眠時間は1日7時間程度確保し、夜遅くまでのスマホの使用や寝酒などはなるべく控えるようにしましょう。
食事はきちんと三食とることを心がけ、血糖値が急上昇にならないよう食べ方を工夫したり、夕食をとるタイミングに気をつけたりすると良いでしょう。