夜中に目が覚めて寝れないことはありませんか。眠れない時間を過ごすと寝つきが浅くなってしまい、睡眠の質が低下してしまいます。かといって無理に寝ようと思うと、かえってストレスになってしまうこともあるでしょう。夜中に目が覚めてもすぐに寝る方法はないのでしょうか。今回は、夜中に目が覚めたときにすぐに寝る方法について紹介します。
夜中に目が覚めるのは「中途覚醒」の可能性がある?
眠りが浅く、眠れても夜中にまた目が覚める人は、「中途覚醒」の可能性があります。中途覚醒に陥り、一度起きるとなかなか寝れず、つらい夜を過ごしている人もいるのではないでしょうか。
中途覚醒は、不眠症の一種ともいえる症状です。不眠症にはほかにもさまざまなタイプがあり、入眠障害や早朝覚醒、熟眠障害などがあります。
中途覚醒に陥ると寝つきが悪くなるだけでなく、倦怠感が残ってしまったり、集中力が低下してしまったりするため、日常生活に支障をきたしてしまうおそれがあります。
夜中に目が覚める(中途覚醒)の主な原因
中途覚醒が起こると、そのあとなかなか眠ることができず、翌朝の倦怠感も防げません。なぜ中途覚醒が起きてしまうのでしょうか。ここでは、夜中に目が覚める主な原因を紹介します。
加齢
加齢は、夜中に目が覚める原因のひとつです。年齢を重ねると眠りが浅くなり、ちょっとした物音や光などの刺激で目が覚めてしまいます。
加齢による頻尿によって、トイレ覚醒が起こることもあります。夜中に何度も起きてトイレに行くので、眠りが浅くなってしまうのです。
カフェイン・飲酒・薬
アルコールやカフェインの摂取によって、夜中に起きてしまうこともあります。
カフェインは覚醒作用があるので、眠気覚ましに使われています。また、利尿作用もあり、夜に飲むとトイレに行く回数が増えるため、睡眠の質が低下してしまうので注意が必要です。
また、アルコールは摂取すると一時的に眠くなるものの、時間が経つと眠りが浅くなり、かえって寝つきにくくなります。「寝つきが良くなるから」と寝酒をしている人もいますが、かえって睡眠の質を悪化させるので、就寝前はお酒を控えるようにしましょう。
常用している薬がある人は、薬によっては服用すると中途覚醒が起きやすいものも多いです。薬の副作用などを医師に確認してみましょう。
ストレス
ストレスからくる心と体の緊張が、不眠につながるおそれがあります。ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れて交感神経が優位になり、眠れなくなってしまうのです。
交感神経が優位になると、緊張や興奮、イライラ状態が続くので、それがストレスになってしまいます。
また、不眠が続くと精神疾患につながるリスクもあるので注意が必要です。ストレスは睡眠に大きな影響を与えるので、なるべくため込まないよう意識すると良いでしょう。
高血圧・糖尿病・肥満
高血圧や肥満の人は、息苦しさなどで中途覚醒しやすいともいわれています。高血圧によって交感神経が優位になり、緊張や興奮が続く状態になってしまう人も多いです。
糖尿病の人は喉が渇きやすく、たくさん水分をとってしまいトイレに行く頻度が上がります。何回も起きるのでその分眠りも浅くなってしまうのです。
高血圧や糖尿病、肥満の人は、寝ているときに呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の人も多いといわれています。呼吸が止まると息苦しさで目が覚めるので、眠りが浅くなってしまうのです。
その他の原因
中途覚醒が起こる原因はほかにもたくさんあります。
妊娠している人なら、つわりや頻尿、胎動によるもの、ミネラル不足、圧迫感などが原因で中途覚醒が起こります。ほかにも、外からの騒音や室内の明るさ、スマホやPCを寝る直前まで使っているなどの環境的要素も原因のひとつです。
また、病気や睡眠障害などで頭痛の症状が出ている、夜勤をしていて体内時計が乱れるなども原因になります。中途覚醒にはさまざまな理由があるので、一つひとつ確認しなければなりません。
夜中に目が覚めたときに早く寝る方法
夜中に目が覚めてしまっても、明日の仕事に差し支えるのですぐに寝なければならない人が多いのではないでしょうか。しかし、眠らなければと思えば思うほどなかなか眠れないのも事実です。ここでは、目が覚めて眠れないときにすぐ試せる方法を紹介します。
睡眠の環境を整える
睡眠に適した環境づくりは、質の良い睡眠に重要です。部屋の温度や湿度を整えて眠りやすくしましょう。気温は、夏場は25~26℃、冬場は16~19℃、湿度は40~70%程度に保つのがベストです。温度計や湿度計を置いてチェックしてみましょう。
家の立地によって外からの騒音が多い場合は、防音カーテンや耳栓などで40db以上の騒音を防ぐ工夫も大切です。騒音に悩まされている人は参考にしてください。
寝室のベストな明るさは50ルクス未満で、豆電球くらいの明るさが最適です。明るい部屋で寝ると「メラトニン」の分泌が抑制されて、夜中に目が覚めやすくなります。入眠しやすいように部屋の明かりを調節しましょう。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲むのもおすすめです。入眠効果が期待できる飲み物を飲みましょう。白湯は、飲んで体を温めることで、副交感神経が優位になりリラックスする効果が期待できます。
ホットミルクは、牛乳に含まれる「トリプトファン」に睡眠物質セロトニンを分泌させる働きがあるので、寝る前のドリンクとしておすすめです。
ホットココアは、牛乳の成分にある入眠作用や、ココアに含まれる「テオブロミン」が自律神経を整える働きがあり、糖質による疲労回復効果も期待できます。
夜中に飲み物を飲むなら、アルコール類やカフェインは避けましょう。胃に負担がかからない温かい飲み物で一息つけば、入眠しやすくなるはずです。
音楽やアロマを取り入れる
音や香りでリラックスできる環境を作ると、入眠の効果が期待できます。音楽は、オルゴールやクラシックなど落ち着く音楽がおすすめです。また、ラベンダーなどのリラックス効果の高いアロマを取り入れて、心も安らげる空間を作りましょう。
音楽やアロマで副交感神経を高め、しっかりとリラックスできれば、入眠効果も高くなるでしょう。
リラックスできるツボを押す
眠れないときは、リラックスできるツボを押すのもおすすめです。
頭頂部にあるツボ「百会」や人差し指と中指の先端の中間にあるツボ「労宮」、かかとの中央にあるツボ「失眠」などを押してみましょう。
力加減は、気持ち良いと感じる程度の強さで問題ありません。強く押しすぎると、あざになったり痛みを引きずったりするので注意が必要です。
スマホやパソコンを見ない
スマホやパソコンの画面の光を浴びると、脳が昼と錯覚して、入眠を阻害します。眠れない夜の暇つぶしにスマホやパソコンを見る人も多いですが、入眠には逆効果です。
光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制されて眠りが妨げられるので、スマホやパソコン、テレビなどの光は浴びないように気をつけましょう。寝る1時間前までにスマホやパソコンの使用を終え、できれば寝室には持ち込まないのがベストです。
スマホのナイトモードをONにしたり、明るさを調整したりして、目や脳に余計な刺激を与えない工夫しましょう。
まとめ
今回は、夜中に目が覚めたときにすぐに寝る方法について紹介しました。夜中に目が覚めてしまう理由はさまざまです。今すぐに改善できない要因もたくさんありますが、日常生活を工夫すれば改善できる要因もあります。
まずは中途覚醒がなるべく起きないことを目指しましょう。もし夜中に目覚めてしまったら、暇つぶしにスマホを触るのではなく、温かい飲み物を飲んだり、ツボを押してみたりと、今回紹介した対策を試してみてください。