産後は赤ちゃんのお世話や家事に追われ、寝不足になりがちです。しかし、寝不足が続いているにもかかわらず、寝付けなくて困っているママもいるのではないでしょうか。
そこで今回は、産後寝不足なのに眠れない原因や、眠れないときの対処法などについて解説します。
テスト
産後ママが寝不足なのに眠れない原因
産後のママは、睡眠不足に陥りがちです。心身ともに疲れるので本来であればぐっすり眠れるはずなのですが、なぜか眠れなくて困ることがあります。なぜ寝不足で疲れているのに、眠れなくなってしまうのでしょうか。
産後うつ
産後ママが寝不足なのに眠れない原因のひとつが『産後うつ』です。産後うつとは、出産後に現れるうつ状態のことで、育児に対するストレスやプレッシャーなどが原因で発症するといわれています。産後うつでよく見られる症状は以下のとおりです。
- 疲れやすくなる
- イライラする
- 育児に不安を感じる
- 育児をする気力がなくなる
- 食事が取れなくなる
出産直後から3ヶ月くらいまでは産後うつになりやすい傾向にあり、これによって眠れなくなることもあります。
ホルモンバランスの乱れ
妊娠中の体内では、エストロゲンやプロゲステロンといった、体を妊娠に適した状態にする働きをもつホルモンが大量に分泌されます。
出産後にこれらのホルモンの分泌が減少すると、不眠や便秘などの不調が出やすくなるのです。慣れない育児へのストレスが原因で、ホルモンバランスが乱れて不調になるケースもあります。
ホルモンバランスが整うのは、母乳育児では授乳を止めて1~3ヶ月ほど、ミルク育児では産後3ヶ月程度経った後といわれています。この間は、寝不足なのに眠れない状態が続くかもしれません。
スマートフォン
就寝前にスマートフォンに触れるのは、産後問わず睡眠の質を下げてしまいます。家事や育児の合間の息抜きにスマートフォンを利用することもあるかもしれませんが、スマートフォンの画面の光は不眠の原因となります。
この光を浴びることで、「メラトニン」という眠りを誘うホルモンの分泌が減少するためです。朝昼の利用なら問題ないかもしれませんが、就寝時間の2時間前からはスマートフォンを見るのを控えて、体を休ませましょう。
産後寝不足が続く…赤ちゃんの睡眠の特徴
産後ママが寝不足なのに眠れない原因として、産後うつやホルモンバランスの乱れなどがありますが、赤ちゃんの睡眠パターンによって産後ママが眠れないということもあります
赤ちゃんの睡眠時間は1日15~20時間程度といわれており、大人よりもはるかに長い時間眠っています。
しかし、睡眠時間は長いものの、頻繁に目を覚ますのが赤ちゃんです。夜中でも何度も目を覚ますため、そのたびに起きてお世話をしていると寝不足になってきます。
なぜ赤ちゃんが何度も起きるのか、赤ちゃんの睡眠の特徴について詳しく見ていきます。
細切れ睡眠をする
6~7時間程度のまとまった時間眠る大人と違い、赤ちゃんは細切れ睡眠をするのが特徴です。睡眠には脳まで休んでいて眠りの深い「ノンレム睡眠」と、脳が働いていて眠りが浅い「レム睡眠」があります。
大人の睡眠はノンレム睡眠とレム睡眠が交互に繰り返されており、全体の約80%をノンレム睡眠が占め、レム睡眠は20%程度に過ぎないのですが、対して、赤ちゃんは50%程度がレム睡眠といわれています。眠りが浅い時間が長いため、ちょっとした刺激ですぐに起きてしまうのです。
夜泣きする
赤ちゃんの睡眠の特徴として、夜泣きもあります。夜泣きは生後半年~1歳ごろの赤ちゃんによく見られるものです。
夜泣きの原因は空腹、喉の渇き、オムツのムレなどさまざまで、明確な理由がわからないこともあります。不規則な睡眠リズムが原因で目が覚めてしまい、夜泣きする赤ちゃんもいるようです。
夜泣きには個人差があり、まったく夜泣きしない赤ちゃんもいます。しかし、連日夜泣きするタイプの赤ちゃんだと、夜ぐっすり眠れず睡眠不足に陥るでしょう。
昼夜の区別が付かない
大人の体は体内時計の働きによって、朝目覚めて夜眠くなるサイクルができている一方、赤ちゃんはまだ体内時計がしっかり働いていないため、昼夜の区別がつきません。その結果、昼間に眠って夜起きることがあります。
そんな赤ちゃんのリズムに合わせて生活していれば、だんだん寝不足になってくるのも頷けます。赤ちゃんの生活リズムを整えるためにも、同じ時間にカーテンを開けて部屋に光を取り入れる、夜は暗い部屋で過ごすなど工夫することが大切です。
産後眠れないときの対処法4つ
産後の寝不足は長く続くとつらいものです。少しでもしっかり睡眠が取れるように、眠れないときの対処法を知っておきましょう。
こまめに睡眠する
産後に眠れないときの対処法のひとつが、こまめに睡眠を取ることです。赤ちゃんは眠りが浅かったり夜泣きしたりするため、夜に長時間睡眠を取るのは難しいものです。
それなら、まとまった長時間の睡眠にこだわらず、赤ちゃんが寝ついたタイミングで一緒に寝て、少しでも睡眠時間を確保しましょう。
家事などやるべきことがあると気になるかもしれませんが、ママの体調のほうが大切なので積極的に休みましょう。母乳をあげるなどママでないとできないことはありますが、任せられることはほかの家族に任せてしまうのも、睡眠時間の確保につながります。
軽く運動する
産後に眠れないときは、ストレッチや散歩などの軽い運動をするのもおすすめです。
日中に心地良い疲労を感じる程度の運動をすれば、夜に寝つきやすくなります。階段の上り下りや赤ちゃんをあやしながらスクワットするなど、現状できそうな運動を考えてみましょう。
睡眠前にリラックスする
睡眠前に感じるストレスや緊張状態は、睡眠の導入に悪影響を及ぼします。リラックスするには、たとえば入浴がおすすめです。
38~40度のぬるめのお風呂に約20分浸かると、副交感神経が刺激されて体が眠る準備に入ります。白湯などの温かい飲み物をのむのも良いでしょう。
バランスの良い食事をとる
バランスの良い食事は、寝不足なのに眠れない原因でも紹介した「ホルモンバランスの乱れ」を防ぐのに効果的です。とくに、亜鉛・ビタミンEはホルモンの分泌に関わる栄養素なので、積極的に摂取しましょう。
亜鉛はホルモンの合成・分泌をサポートさせ、ビタミンEはホルモンバランスを整える働きがあります。亜鉛やビタミンEが多く含まれる食品は、以下のとおりです。
亜鉛 | ・ココア ・大豆や大豆食品 ・カシューナッツ ・豚レバー ・煮干し ・牡蠣 など |
ビタミンE | ・卵 ・かぼちゃ ・アボカド ・アーモンド ・ヘーゼルナッツ ・ドライトマト など |
産後眠れなくてつらいときは無理しない!
赤ちゃんのころはなかなか目を離すことができません。「完璧にこなさなければ」と思ってしまうかもしれませんが、少しは息抜きをして、妥協することも大切です。
心身を休める
ストレスが溜まるとさらなる不眠の悪化や産後うつにつながる可能性もあります。
映画や音楽など、自分の好きなことをしてリフレッシュしたり、マッサージに行ったりなど、心身ともにリフレッシュするようにしましょう。
また、経済的に余裕があれば自動掃除ロボットなどの活用や家事代行サービスなどを利用して、家事の負担をできるだけ減らすのがおすすめです。
周囲に頼る
産後は家事に育児にとやることがたくさんあります。無理をして一人でこなそうとせずに、家族など頼れる人に任せてしまいましょう。
体調不良が長引いている場合は、医師の診察を受けたほうが良いので、まずは出産した婦人科を受診してみましょう。
また、辛いときは誰かと話したり交流したりすることで、気持ちが楽になることもあります。一人で抱えこまず、周りに相談するのも良いでしょう。昨今ではSNSで同じような悩みを抱えた方とつながることもできます。SNSだからこそ、話しやすいこともあるかと思います。
まとめ
産後は赤ちゃんの細切れ睡眠やホルモンバランスの乱れなどが原因で、寝不足で疲れているのに眠れないことがあります。
寝不足が長引くと心身に不調をきたす可能性もあるので、無理をせずに体を休めることが大切です。
どうしても眠れないときは、運動したりぬるま湯に浸かったりして体や気持ちをリラックスさせましょう。不調が長く続いている場合は、医師に相談するのがおすすめです。