歳を重ねるごとに疲れやすくなった、疲れが取れにくくなったと感じている女性も多いのではないでしょうか。ここでは50代女性が感じる疲れの原因と、溜まった疲れを取るための対処法を解説します。
疲れを溜めにくい体作りのためにできることもまとめました。どれも今日から始められることばかりなので、ぜひ実践してみてください。
50代女性の疲れが取れない原因は?
50代女性が疲れを感じるときに考えられる原因を6つまとめました。最近疲れているなと感じる方は、いずれかの原因に心当たりがないか確認してみましょう。
自律神経の機能低下
若いころと比べて疲れるようになったと感じるなら、自律神経の機能低下が原因だと考えられます。
自律神経の機能は加齢とともに低下するものです。20代と比べると、50代の自律神経の機能は1/3以下まで低下するともいわれています。
自律神経が乱れる理由のひとつとして、年齢を重ねるごとにホルモン分泌量が低下することが挙げられます。頭痛や肩こり、めまい、下痢や便秘といったさまざまな不調が体に現れているなら自律神経の機能低下を疑いましょう。
睡眠不足
睡眠不足は心身の疲れに直結します。疲れが取れないと感じるときは、自分の睡眠習慣を見直してみましょう。寝つきが悪い、眠りが浅いといった悩みがある場合も要注意です。
毎日の生活の中で人の体には疲れが蓄積していきます。眠っている間に人の体内で分泌される成長ホルモンが蓄積した疲れを解消してくれるのです。
十分な睡眠を取って翌日には回復するのが理想ですが、睡眠不足だと体の回復が追いつかない事態になってしまいます。
ストレス
ストレスは心と体を蝕み、疲れさせます。50代くらいになると子どもの進路問題や親の介護問題などなにかと悩みの種が増えるものです。
問題がひとつであれば対処できても、いくつも重なれば頭はパンクしてしまうでしょう。特に精神面の不調がひどいと感じるときは、周囲にストレスのもとがないか考えてみてください。
女性ホルモンの乱れ
ホルモンの分泌量が減る中でホルモンバランスが乱れると、心身にさまざまな不調が出てきます。女性ホルモンの分泌量は20代後半~30代前半にかけてピークになりますが、その後は年齢とともに徐々に減っていき、45歳頃で急激に減少します。
50代になり全身の疲労感やだるさが顕著に現れたときは、ホルモンバランスの乱れを疑いましょう。
更年期
これまでに更年期という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。ちょうど閉経を迎える前後10年を更年期といい、この時期にはあらゆる心身の不調が出るものです。
更年期の症状として疲労感は代表的なもので、ほかにはだるさ、めまい、冷え、動悸、息切れ、頭痛なども挙げられます。やる気が出ない、気持ちが焦るといった心の不調もよく見られる症状です。
症状の原因は女性ホルモンの分泌量が急激に減ることにより、自律神経が乱れることにあります。症状が重い場合は病院を受診することも検討しましょう。
脳疲労
普段はあまり存在を意識することがない脳も、日々の生活の中で疲れていきます。たとえばスマートフォンやパソコンの使いすぎは脳を疲弊させる原因のひとつです。
スマートフォンやパソコンでただぼんやり動画を見ているだけでも、脳には多くの情報が流れ込みます。また、ネット記事を読む場合やゲームをする場合は膨大な情報量になるでしょう。脳が情報処理のために忙しく働く結果、疲れてしまうのです。
なんとなく疲れが取れないと感じるなら、スマートフォンやパソコンの使い方を改めることも検討してください。
50代女性必見!疲れが取れないときの対処法
すでに疲れを感じているなら、疲労回復のために行動を起こしましょう。心身の疲れを癒す効果が期待できる3つの方法をまとめました。
マッサージをする
ひどい肩こりや首のこり、腰の痛みなど疲れが体に強く現れているなら、マッサージがおすすめです。慢性的な疲れに悩んでいる方の中には、定期的にマッサージや整体に通っている方もいるのではないでしょうか。
人の手で体をほぐしてもらうのは気持ち良いものです。自分では手に負えないほど疲れがたまっているならプロの力を借りましょう。
疲れは溜めこむほど回復に時間がかかります。気づくといつも疲れを感じているという方は、定期的にマッサージに通って体をケアすることも検討しましょう。
休養をとる
疲れたときはとにかく休むという方も多いでしょう。実際、疲れを感じているときはあまり動きたくないものです。明らかな疲労感を自覚しているなら、あらゆる用事を後回しにして休んでみてはいかがでしょうか。
睡眠を取るのも疲労回復には効果的です。ただし、寝すぎると自律神経が乱れて余計に疲労を感じてしまうこともあります。睡眠リズムを崩さないように気をつけつつ、その日の疲れはその日の睡眠で解消することを目指してください。
病院に行く
どれだけ休養をとっても疲れが取れない、なにもできないほど疲れ切っているという場合は病院を受診することも検討すべきです。
日常生活に支障が出るほど心身が疲れているなら、病気のサインかもしれません。たとえば肝臓病や糖尿病では症状のひとつとして疲労感が出ることがあります。また、寝込んでしまうほど強い疲労感に襲われる慢性疲労症候群という病気もあるのです。
前述した更年期が原因の疲労感も、あまりにひどいなら病院で治療できます。「疲れくらいで病院にかかるなんて」と思わず、違和感を覚えたときはすぐ病院へ行きましょう。
疲れを溜めにくい体を作るには
疲れるのは年齢のせいだと諦めていませんか。いくつになっても、日々のちょっとした心がけで疲れにくい体は作れます。疲れを溜めにくい体作りのためにできることを紹介します。
適度に運動する
運動不足で体力が落ちていると、疲れやすくなってしまいます。健康維持のためにも運動を習慣化しましょう。
最初から激しい運動をする必要はありません。まずは1日に15~20分程度ウォーキングをしたり、ストレッチをしたりすることから始めてみてください。近くのスーパーへの移動手段を車から自転車や徒歩に変えるだけでも良い運動になります。
デスクワークなどで座りっぱなしの時間が長い人は、座ったままできる肩甲骨体操もおすすめです。
イスに座って両手を前に出したら、ひじを曲げて手を肩に乗せましょう。肩甲骨が動くよう意識しながら両腕をぐるぐると10回ほど回してください。肩まわりがほぐれて肩こり改善につながります。
食生活を改善する
疲れにくい体を作る上で、食事の内容は非常に大切です。毎朝きちんと朝食をとり、間食を控え、栄養バランスが整った食事をすることで、元気な体に近づきます。
疲労回復にはたんぱく質やビタミン、カルシウム、亜鉛、マグネシウムなどの栄養素がおすすめです。これらの栄養素を含む食材を献立に取り入れてみましょう。
女性ホルモンの乱れによる心身の不調を感じているなら、大豆食品を食べるのもおすすめです。大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンと似た作用を体にもたらしてくれるといわれています。
なお、カフェインの摂りすぎも疲労を悪化させる要因のひとつです。日頃からコーヒーや栄養ドリンクなどカフェインが多く含まれる飲み物をよく飲むなら、これを機に減らしましょう。
急にやめると反動で体調が悪くなることがあるため、量を減らすことから始めてください。
十分な睡眠を取る
疲れを取るにはなによりぐっすり眠ることが重要です。十分な睡眠時間を確保できていない場合、生活習慣を見直す必要があります。
まずは夜更かしをやめ、早寝早起きを心がけ、睡眠リズムを整えることから始めましょう。
また、寝る前のスマートフォンの使用を避けることが大切です。スマートフォンが発する強い光は脳を覚醒状態にさせるため、ベッドに入って部屋を暗くした後はなにもせず目をつむり、しっかり休養することに努めてください。
まとめ
50代前後の女性は、自律神経やホルモンバランスの乱れなどが原因で疲れを感じやすいものです。疲れがひどいときはマッサージを受けたり休養したり、場合によっては病院の受診も検討してみてください。できる範囲で運動や食生活の見直しも実践しながら、毎日を元気に過ごせる疲れにくい体作りを目指しましょう。