疲れているのになかなか眠れない…そんなときはストレッチを取り入れてみるのがおすすめです。
ストレッチは運動前に行うイメージがありますが、寝る前に行うことで睡眠の質を向上させることも可能です。
今回はストレッチで期待できる効果を解説したあとに、おすすめのストレッチと実践するときのポイントをご紹介します。寝つきが悪くてお悩みの方はぜひ参考にしてください。
眠れないときにストレッチが効く理由は?
睡眠前のストレッチは、寝つきを良くしたり、睡眠の質を向上したりする効果があります。なぜストレッチが睡眠に良い効果をもたらすのか、その理由を3つご紹介します。
リラックス効果が期待できる
ゆっくり行うストレッチは脳の中のアルファ波を増加させ、副交感神経を優位にします。この副交感神経は自律神経の一種で、血圧を下げたり心身を落ち着かせたりする働きがあります。要はリラックス効果が期待できるのです。
心身ともにリラックス状態になることで、自然な眠気を誘発できます。
ストレッチを行うのは就寝前だけで効果が発揮されますが、入浴時にも行うことでより高い効果につながるのでおすすめです。
筋肉の緊張を和らげる
一日中デスクワークをしたり仕事や家事などでストレスを感じたりすると、筋肉が緊張して肩こりや腰痛など、身体に痛みをともなうことがあります。
身体に痛みがあるときは、筋肉が硬直されていて、血流が悪い状態であることが考えられます。そんなときもストレッチなら、筋肉を和らげ、血行不良も改善できるので、筋肉のコリや痛みを解消できます。
体温が上がる
人は一度上昇した深部体温(体の内部の温度)が徐々に下がっていくことで眠気を覚えます。つまり、一度身体が温まった状態でないと深部体温は下がりにくいため、眠気が訪れるのが遅くなるということです。
ストレッチには血流を良くする効果があるといわれています。血流が促されると体温は上がり、ストレッチを終えて徐々に体温が下がっていく過程で眠気が訪れるため寝つきが良くなるのです。
眠れないときにおすすめのストレッチ4選
就寝前のストレッチは、リラックス状態でのんびりと行えるものが向いています。今回はゆっくりと身体を伸ばせるストレッチを4つピックアップしたので、就寝前にやってみてください。
背伸びのストレッチ
長時間のデスクワークやスマホ操作によって、背中の筋肉は緊張しやすいです。ここをしっかりとほぐして、身体の緊張感を和らげていきましょう。
1.仰向けの状態で寝ます。
2.両手は頭の上にあげてグーっと伸ばし、両足も遠くに向かって伸ばしましょう。
3.深呼吸しながら10秒キープ。
4.全身の力を抜いてリラックスします。
5.1~4の動きを3~5回程度繰り返してください。
身体に余計な力が入らないように、深呼吸をしながらリラックスして行いましょう。ここでは仰向けの姿勢で行うストレッチを紹介しましたが、あぐらや椅子に座った状態でもできるので仕事の休憩中に行うのもおすすめです。
股関節のストレッチ
股関節の硬さは血行不良を招き、腰痛や身体の冷えにつながりやすくなります。血流改善やコリ・冷えの解消のためにも、しっかりと股関節をほぐしていきましょう。
1.あぐらの状態で座ります。
2.両足の裏をつけて、手で包み込むように持ちましょう。
3.背筋を伸ばして、上半身を前にゆっくりと倒してください。
4.背筋を伸ばした状態を維持できるギリギリの範囲まで上半身を倒したら、深呼吸しながらキープ。
5.肘で太ももを押して、股関節を伸ばしましょう。
6.ゆっくりと上半身をあげて、元の状態に戻ります。
7.2~6の手順を3セット程度行ってください。
このストレッチは、背中が曲がらないように行うのがポイントです。どうしても背中が丸まってしまう場合は、両手を足先から離して前に伸ばしてください。
手足のストレッチ
手と足の筋肉をほぐすことで、全身の力が抜けてストレス解消できます。
1.仰向けの状態で寝ます。
2.両手両足を天井に向かって伸ばします。
3.両手両足の力を抜いた状態で、30秒ほどブラブラさせましょう。
5.3の動きを2セット行ってください。
このストレッチは手足の力を抜くことがポイントです。余計な力は入れず、小刻みに揺らすようにしてストレッチをしましょう。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎは下半身から上半身へ血液を流すポンプの役割をしている重要な部分です。ストレッチでふくらはぎの筋肉疲労を和らげ、血流を促して快眠へとつなげてください。
1.右足を伸ばして座ります。このとき左足の裏は右太ももの内側につけておいてください。
2.右手は右足の先、左手は右足の膝を押さえましょう。
3.深呼吸しながら、右足の先に向かって上半身を倒していきます。
4.10~20秒ほどキープして元の姿勢に戻ります。
5.足を入れ替えて2~4の手順を行ってください。
伸ばした足のつま先を持つのが難しければ足首でもかまいません。無理をしすぎると息を止めやすくなってしまうので、できる範囲で頑張って行いましょう。
ストレッチをするときのポイント
眠気を誘うために行うストレッチでは、押さえておきたいポイントが4つあります。一つひとつ解説しますので、そのポイントを意識しながらストレッチを取り入れてみてください。
お風呂上がりにやる
ストレッチはお風呂上がりの身体が温まっているときに行いましょう。お風呂上がりは血流が良く、筋肉も柔らかくなっている状態なので、ストレッチの効果をより感じやすくなります。
ポイントは湯船にしっかりと浸かってからストレッチを行うことです。夏はシャワーを浴びるだけでお風呂を済ませる方もいるかもしれませんが、深部体温を上げて寝つきを良くするためにも、湯船に浸かることをおすすめします。
そして、自然と眠気を誘うためには一度上がった深部体温を徐々に下げていくことも重要です。ダウンタイムが必要なので、入浴は就寝の1時間前までに終わらせて、ストレッチは寝る15分くらい前に完了しておくようにしましょう。
深呼吸をしながらやる
ストレッチは、深呼吸でしっかりと酸素を取り入れながらやるのもポイントです。深呼吸をすることで脳に酸素が行き届き、副交感神経が優位に働きリラックス状態になります。深呼吸は少しずつ深くしていくことで、筋肉の奥まで緊張をほぐすことができます。
反対に息を止めてしまうと筋肉が緊張してしまいます。
十分な酸素はストレスや不眠解消の効果も期待できるので、ストレッチの最中は呼吸を止めないようにしましょう。せっかくのストレッチも、効果が薄くなってしまいます。
無理に身体を伸ばさないようにする
就寝前にストレッチをするときは、身体を無理に伸ばしてはいけません。反動をつけたり、筋肉を必要以上に伸ばしたりすると、身体が緊張してストレッチの効果が薄れてしまいます。
また、必要以上に負担をかけてしまうと、筋肉や関節を痛めてケガをするおそれもあります。そうならないためにも、ストレッチは、痛みを感じる手前の気持ち良さを意識して行ってください。
照明は暗くする
眠気を誘うためには、ストレッチをする環境も重要です。部屋の照明は暖色系に変えるか、明るさを落としてストレッチをしましょう。そうすることで脳や身体が休むモードになり、自然と眠気が訪れやすくなります。
さらに、心地良い香りのアロマやヒーリング効果のある音楽をプラスすれば、よりリラックス状態に近づきます。これらのアイテムを活用して癒されながら、ゆっくりとストレッチをしてみましょう。
まとめ
今回は眠れないときにおすすめのストレッチについてご紹介しました。ストレッチはリラックス効果や筋肉の緊張緩和、体温を上げる効果が期待でき、就寝前に行うことで自然と眠気を誘ってくれます。疲労回復の効果も期待できるので、ぜひ日常的に行ってみてください。