疲れが取れないと感じたら、食生活の見直しが必要です。さまざまな食べ物から疲労回復に役立つ栄養素をしっかり摂って、毎日元気に過ごしましょう。
今回は、疲れが取れないときにおすすめの食べ物や栄養素を詳しくご紹介します。あわせて食べ方のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
疲れが取れないときに最適な栄養素を紹介
寝ても疲れが取れないときは、疲労回復を促す栄養素を摂ることが大切です。とはいえ、体が求める栄養素は、疲れの原因によっても異なります。
ここでは3つのタイプに分けて、疲れたときに積極的に摂りたい栄養素を紹介します。
心身ともに疲れているときにおすすめの栄養素
心身ともに疲れているときは、疲労回復に良いとされる栄養素を積極的に摂ると良いでしょう。おすすめなのは、次の5つです。
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・カルシウム
・鉄
ビタミンB1、B2、B6はエネルギー合成に関与する栄養素で、不足すると疲労感が強くなるため注意が必要です。カルシウム不足は、筋肉や関節に負荷をかけます。鉄は全身に酸素を運ぶ血液を作り、体力維持に欠かせない栄養素なので、疲れたときは意識して取り入れましょう。
筋肉疲労や肉体疲労を感じているときにおすすめの栄養素
スポーツやレジャーで肉体を酷使したあとは、筋肉や神経の負荷をやわらげ、新陳代謝を促進する栄養素がおすすめです。次のふたつを同時に摂ると、疲労回復効果が高まるといわれています。
・ビタミンB1
・アリシン
ビタミンB1は糖質の利用効率を高め、新陳代謝を促すのに役立ちます。アリシンはニンニク、ニラ、ネギに含まれる香気成分で、強い抗酸化作用が疲労回復を助けるでしょう。
慢性疲労や精神疲労を感じているときにおすすめの栄養素
疲れが続く場合は、疲労物質の排出を促す栄養素を摂りましょう。慢性疲労や精神疲労におすすめの栄養素は、次の3つです。
・カロテン
・ビタミンC
・ビタミンE
カロテンは、活性酸素を抑えるとされる期待の成分です。ビタミンCは鉄の吸収率を向上させる働きがあり、体力維持に役立つでしょう。抗酸化作用があるビタミンEは、果物や野菜と組み合わせると疲労回復に効果が期待できます。
疲れが取れないときにおすすめの食べ物5選
疲れが取れないときに、スタミナやボリューム重視で料理を選ぶのは好ましくありません。重すぎると消化器官に負荷がかかります。
ここでは、疲れているときにおすすめの食事を紹介します。
ウナギ・カツオ
疲れに良い食事の代表格は、ウナギです。ウナギは、疲労回復に欠かせないビタミンB1が豊富な食材で、糖質代謝を促し、倦怠感をやわらげる効果が期待できます。
ただし、たくさん摂れば良いというわけではありません。ご飯やパンといった糖質が多い食生活をしている方、お酒やジュースが好きで糖質の摂取量が多い場合は、逆に不足する可能性があるので注意してください。
ウナギにはそのほかのビタミンもたくさん含まれています。一度にまとめて食べるより、定期的に食べて疲労回復に役立てましょう。
イミダゾールペプチドやタウリンが含まれるカツオも、疲れを取るのに有効な食材です。
イミダゾールペプチドはタンパク質を構成する成分のひとつで、疲れを軽減する機能があるとされています。タウリンは副交感神経を優位にし、興奮を鎮める作用があるので、疲れた体にうってつけです。
レバー
疲れているときは、レバーを積極的に献立に取り入れましょう。レバーは鉄分が豊富で、必須アミノ酸をバランス良く含む食材です。疲労回復を促す各種ビタミンの含有量も高く、レバー50gで成人が1日に必要なビタミンB2、ビタミンAの量をまかなえます。
とくに、豚や鶏のレバーは鉄分の含有量が高いので、疲れた体におすすめです。鉄は血液を作るもととなり、細胞や筋肉の機能維持に欠かせません。
肉類に含まれる鉄分は、タンパク質と結合したヘム鉄です。野菜に含まれる非ヘム鉄より体への吸収率が高いので、効率良く疲れが癒やせるでしょう。
豚肉・鶏肉・牛肉
疲れていると、がっつり肉を食べたくなる方は多いのではないでしょうか。豚肉、鶏肉、牛肉に含まれる動物性タンパク質は、疲労回復や新陳代謝の促進に欠かせない栄養素です。
特に、豚肉は糖質の代謝に必要なビタミンB1が突出して豊富です。ビタミンB1は体内生産ができないので、定期的に豚肉を献立に取り入れましょう。
鶏肉からは抗酸化作用を持つイミダゾールジペプチド、皮膚や喉などの粘膜を保護するレチノールを摂取できます。牛肉は脂肪の代謝にかかわるカルニチンが多く含まれていて、中性脂肪や脂肪酸を分解し、エネルギーに転換して体の元気をサポートします。
みかん・グレープフルーツ・レモン
疲れていて食欲がないときは、フルーツで手軽に栄養素を摂取をしましょう。果物は糖質、ビタミン、ミネラルの宝庫で、疲労回復、脳の活性化、塩分や脂質の排出を促すなど、さまざまな効果が期待できます。
果物は1日200gの摂取で健康増進に役立つとされているため、ぜひ毎日の食事に積極的に取り入れてください。特に、みかん、グレープフルーツ、レモンといった柑橘類は香りが良く、さっぱりと食べられます。クエン酸も豊富で、食欲がでないときも食べやすいでしょう。
果物をむくのが面倒なら、コンビニなどで市販されているカットフルーツを活用するのもおすすめです。保存が利く冷凍フルーツを常備するのも良いでしょう。レモンやゆずを調味料や薬味として献立作りに取り入れるのも効果的です。
疲れを取るために食事で気をつけるポイント
栄養素だけでなく、食事の取り方も重要なポイントです。効率良く疲れを癒すためにも、普段の食生活を見直しましょう。
最後に、疲労の蓄積を防ぐための健康的な食事の取り方について解説します。
決まった時間に食事をする
まずは、食生活のリズムを見直しましょう。疲れをため込まないためには、朝昼晩とも決まった時間に食事をすることが大切です。
食事のリズムが整うと、体内の代謝がスムーズに進みます。血糖値の上昇や下降のリズムが一定になり、身体に負担がかかりにくいとされているので、ぜひ取り組んでみてください。
決まった時間に食事を摂る習慣をつけると、体内時計のズレも防げます。体内時計のズレは、睡眠にも悪影響が及ぶおそれがあるので要注意です。睡眠は心身の疲労回復を進めるためにも重要なので、規則正しい生活を心がけましょう。
糖質を摂りすぎない
血糖値が急激に上昇すると、下降するタイミングで疲労感が大きくなるため、糖質を摂りすぎない食生活も重要です。糖質は体を動かすエネルギーのもとであっても、摂りすぎは好ましくありません。
甘い物を摂りすぎると、糖質をエネルギーに変換するためにビタミンB1を大量に消耗します。先述したとおり、ビタミンB1は不足すると、疲れを感じやすくなります。元気に過ごすために必要とされるドーパミンも減少するので、甘い物は適量を心がけてください。
栄養バランスに気を付ける
体に疲労をため込まずに毎日を元気に過ごすためには、栄養バランスの取れた食事が必要です。疲れに良い栄養素だけを摂っても、劇的に体が楽になることはありません。
食べ物に含まれる栄養素はいくつかが影響し合い、補い合って効果を発揮します。栄養バランスが偏らないように、いろいろな食材を献立に取り入れましょう。
献立は、主食、主菜、副菜を軸に考えるのが基本です。
・主食:ご飯、パン
・主菜:肉、魚、卵
・副菜:野菜、きのこ、海藻
これに汁物を加えると、さらにバランス感が向上します。動物性タンパク質は疲労回復に役立つため、主菜のバリエーションを増やして食べ飽きない工夫をしてください。
まとめ
食べ物に含まれる栄養素は体を作り、コンディション維持に欠かせません。栄養バランスが偏ると疲労感が蓄積するため、バランスのよい食事を目指してください。
とはいえ、疲れているときは無理をせず、体を休める必要があります。栄養と休息を取りながら、健康で疲れにくい体を作りましょう。