深い睡眠の割合を増やすには?浅い睡眠との違いやポイントを解説

深い睡眠の割合を増やすには?浅い睡眠との違いやポイントを解説

最近、眠りが浅いと感じることはありませんか?睡眠中に何度も目が覚めたり頻繁に悪夢を見たり、ぐっすり眠れず、疲れが取れない方は睡眠の質に問題があるかもしれません。

そこで今回は、良質な睡眠を得るために知っておきたい深い睡眠と浅い睡眠のベストな割合について紹介します。

睡眠中は浅い睡眠と深い睡眠がある

人は睡眠中に、深い睡眠と浅い睡眠を繰り返しています。まずは、この2種類の睡眠について詳しく説明します。

深い睡眠=ノンレム睡眠

深い眠りに入っている状態を「ノンレム睡眠」といいます。ノンレム睡眠中は、身体はもちろん脳も活動を停止している状態です。

脳が眠っているので、眼球運動はともないません。成長ホルモンがたくさん分泌されるのもノンレム睡眠中で、細胞の修復や疲労回復といった効果がもたらされます。また、ノンレム睡眠に入ると、ぐっすり眠れたという満足感が得られやすくなります。

ノンレム睡眠は3段階に分かれていて、入眠直後の浅い眠りから深い眠りへと徐々に移行していきます。最も深い眠りの状態に入れるのは、眠りについてから3時間程度までです。

浅い睡眠=レム睡眠

深い睡眠を指すノンレム睡眠に対して、浅い睡眠のことをレム睡眠といいます。レム睡眠では、身体は眠っていますが、脳は起きている状態です。急速眼球運動を伴うレム睡眠中は、記憶や感情の整理が行われています。

夢を見ることが多いのは、このレム睡眠中です。レム睡眠とノンレム睡眠は交互に現れ、起床に近づくにつれ、レム睡眠の現れる割合が多くなります。目が覚めるのもレム睡眠時です。

レム睡眠は睡眠全体の20~25%を占めるといわれています。

良い睡眠をとるには時間よりも深い睡眠の割合が大事!

良い睡眠を得るには、時間よりも睡眠の質が重要です。ここでは、なぜ睡眠の質が重要なのか詳しく解説します。

睡眠時間は人によって異なる

成人の睡眠時間は7~8時間程度必要といわれていますが、必要な睡眠時間は加齢とともに短くなる傾向があります。身近な人から「歳をとってから長時間眠れなくなった」「朝早く起きるようになった」という話を聞いたことはないでしょうか。

睡眠は年齢とともに変化し、深い眠りが減少します。そのため、長時間寝ても熟睡したと感じにくくなるのです。睡眠や血圧、体温、ホルモン分泌など1日のリズムを調整する体内時計も年齢が上がるにつれて乱れてくるので、睡眠障害を引き起こしやすくなります。

また、睡眠時間は年齢による変化だけでなく、個人差もあります。生活習慣によって睡眠時間が短い人もいる一方で、睡眠時間を十分とっているにも関わらず、日中に眠くなる人や眠った気がしないという人もいるのではないでしょうか。

このように、睡眠時間には個人差や加齢による変化があるので、日中によほど強い眠気に襲われるなどの支障がない限り、睡眠時間の長さはそれほど気にする必要がありません。どちらかというと、睡眠の長さよりも睡眠の質が大事といえます。

深い睡眠と浅い睡眠の割合が睡眠の質を決める

睡眠の質を決める要素は、深い睡眠と浅い睡眠の割合にあります。通常、睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠を90分ごとに4~5回繰り返しています。

入眠から1時間で最も深いレム睡眠に入り、60~80分のノンレム睡眠と10~20分のレム睡眠を4~5回繰り返し、眠りが浅いレム睡眠時に起床するのが理想的な睡眠サイクルです。

つまり、ぐっすり眠れるかどうかは浅い睡眠と深い睡眠のバランスが重要なのです。

しかし、睡眠サイクルのバランスがさまざまな要因で乱れ、深い睡眠が十分にとれなくなると、日中も眠くなったり、気分が落ち込んだり、肥満になりやすいなどの支障が出てきます。

肥満は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の原因にもなります。糖尿病や高血圧になると心筋梗塞・脳出血・脳梗塞などを引き起こすこともあるため、注意が必要です。首周りに脂肪がついて気管が圧迫されると、睡眠中に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。

十分な睡眠がとれなくなると、治療が必要なケースも出てきます。眠りが浅いと思っている方は単に睡眠時間を長くとるのではなく、深い睡眠の割合を増やすことが大切です。

深い睡眠の割合を増やすためにできること

睡眠前の習慣を見直すことで、深い睡眠をしっかりとれるようになる可能性があります。そこで、深い睡眠の割合を増やす方法を紹介します。

お風呂にしっかり浸かる

深い睡眠の割合を増やしたい方は、しっかりお風呂に浸かりましょう。なぜなら、入浴には血行を良くして身体をリラックスさせる効果があるからです。

ただし、安眠効果を得るには布団に入る1~2時間前の入浴がおすすめです。お湯の温度は少しぬるめの39~40℃に設定し、長めに浸かるようにしましょう。

そうすることで副交感神経が優位になり、体温が上昇します。入浴後しばらく経つと体温が下がり始めて眠気が促されるので、就寝1時間半~2時間前には入浴を済ませるようにしましょう。

ただし、ぬるま湯に少し浸かる程度では、安眠効果があまり得られないこともあります。寝つきを良くするなら15~20分程度しっかり浸かるようにしましょう。

カフェインやアルコールは控える

深い睡眠の割合を増やしたい時は、就寝2時間前からカフェインやアルコールの摂取も控えてください。

コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があるので、寝る前に飲むと寝つきが悪くなります。また、アルコールには利尿作用があることから、睡眠中にトイレに行きたくなって目が覚めるなど、睡眠を妨げる要因にもなります。

寝る前に飲酒をすると、寝つきが良くなると思う人もいるかもしれません。確かに飲酒は眠気をうながしますが、アルコールを摂取するとレム睡眠に入りにくくなって浅い睡眠が続きます。特に眠れないときは、飲酒を控えることをおすすめします。

とはいえ、トイレで起きたくないからといって水分補給を控えるのも身体には良くありません。人は睡眠中にコップ1〜2杯分の汗をかくといわれています。寝ている間は水分補給ができないので、水分を摂取しないと脱水状態に陥りやすくなります。就寝前はコップ1杯分を目安に、白湯などを補給すると良いでしょう。

リラックスできるように工夫する

深い眠りの割合を増やすなら、リラックスできるように睡眠環境を整えることも大切です。夜になっても明るい環境で過ごしていると脳が朝だと錯覚してしまうため、寝つきが悪くなります。寝つきが良くない人は布団に入る1時間前くらいから照明を暗くし、薄暗い室内で過ごしましょう。

寝室の温度や湿度も睡眠に影響を与えるので、寝苦しい夏はエアコンをつけ、保湿性や吸水性に優れたパジャマを着るなどして快適な睡眠環境を整えましょう。

人によっては好きな音楽を聴いたり、アロマオイルの香りを楽しんだりすることも効果的なので、自分に合った入眠方法を見つけてみてくださいね。

スマホやパソコンを寝る前に見ない

寝る前にスマホやパソコンを見ないことも、深い眠りの割合を増やすための大事な対策のひとつです。スマホやパソコンが放つ強い光を見ると脳が覚醒し、寝つきが悪くなります。少なくとも、就寝1時間前~30分前になったらスマホを触らないように努めましょう。

まとめ

「眠りが浅い」「睡眠中、頻繁に起きてしまう」といった悩みを抱えている方は、ただやみくもに睡眠時間を増やすだけでは解決策にはなりません。寝つきを良くするためには、不眠につながる習慣を変えることで、睡眠の質が向上する可能性があります。睡眠不足が続くと健康に悪影響を及ぼすおそれもあるので、まずはご自分で簡単にできる方法からチャレンジして、深い睡眠の割合を増やしましょう。

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