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寝不足 飲み物
「毎日やることが多くて、十分な睡眠時間を確保できない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
一説には、寝不足中の脳はお酒を飲んだときの酩酊状態と同じといわれています。判断力の低下による仕事のミスや、歩行中または運転中の事故などにもつながるため、注意が必要です。
とはいえ、分かっていても即座に解決できないことも多いのが寝不足です。今回は、寝不足でパフォーマンスが落ちてしまっている方へ、おすすめの飲み物や寝不足から抜け出すための対処法を紹介します。
寝不足のときの飲み物にはカフェインがおすすめ
寝不足で判断力が鈍っていると、普段は起こさないようなミスにつながってしまいます。場合によっては怪我など重大なトラブルにつながるおそれもあるため、少しでも頭をすっきりさせたいところです。
寝不足状態のときは、カフェインを含む飲み物がおすすめです。カフェインはコーヒーや紅茶、緑茶など身近な飲み物で摂取できます。
カフェインには目を覚ます効果がある
カフェインには、眠気を起こす物質「アデノシン」の作用を抑える効果があるとされています。寝不足で眠いときにカフェインを摂取すれば、眠気覚ましが期待できるのは、この抑制効果によるものです。
ただし、飲んですぐに効果が現れるわけではありません。カフェインの摂取後、15分くらいから効果が現れるとされています。眠気覚ましのほか、集中力の向上効果や疲労回復、鎮痛効果もあるといわれています。
飲んでから効果が現れるまでの時間を目安に、適切なタイミングでカフェインを摂取すると良いでしょう。
1日の摂取量には注意が必要
カフェインを摂取するうえで注意すべきポイントとして、摂取のタイミングのほかに1日あたりの摂取量が挙げられます。眠気覚まし効果が期待できるカフェインは、摂りすぎると吐き気や動機など、副作用が起こることもあります。
1日のカフェイン摂取量は400mg程度に抑えておき、それ以上は控えたほうが望ましいです。ただし、400mgは大まかな目安に過ぎません。体質によっても異なるため、自分の体の変化を考慮しつつ摂りすぎないよう心掛けることが大切です。
寝不足のときにおすすめの飲み物6選
カフェインは、さまざまな飲み物に含まれています。カフェインを含む飲み物をあらかじめ知っておくと、寝不足の対策として飲むだけではなく、寝る直前の摂取を控えて寝付きにくくなるリスクも避けられます。
寝不足のときにおすすめの飲み物は、次の6つです。
1.コーヒー
カフェインを手軽に摂取できる代表的な飲み物が、コーヒーです。コーヒーはカフェインを多く含んでおり、独特のすっきりとした苦味も気分をリフレッシュさせてくれます。
寝不足のときに飲むなら、アイスよりもホットで飲むほうがおすすめです。温かい状態で飲むほうが、早めに効果が出るとされています。
また、粉末や顆粒状に加工されたインスタントよりも、焙煎した豆そのものを砕いたドリップコーヒーのほうが、カフェイン量は多い傾向です。
ブラックコーヒーのほか、カフェラテやエスプレッソなど、コーヒーはさまざまな飲み方があります。豆ごとに香りや酸味なども異なるため、自分に合った種類の豆や飲み方で無理なく摂取しましょう。
2.カカオ系の飲み物
カカオ系の飲み物も寝不足におすすめです。カフェインが含まれる食品として、チョコレートなどカカオ豆を使用したものが挙げられます。カカオ豆そのものにカフェインが含まれていることが理由です。
そのため、カカオ豆を使用したココアやチョコレートドリンクを飲めば、眠気覚ましの効果が期待できます。コーヒーと同じく、ホットで飲むのがおすすめです。
チョコレートドリンクを飲むときの注意点は、種類ごとにカフェインの含有量が異なることです。たとえばミルクチョコレートよりも、カカオを多く含むブラックチョコレートや高カカオチョコレートのほうがカフェインを多く含んでいます。
一方、ホワイトチョコレートは製造の過程でカフェインが減少するため、眠気覚まし目的での摂取には向いていません。チョコレートドリンクを飲むときは、このように種類ごとのカフェイン量にも注目することがポイントです。
3.カフェイン量が多いお茶
日本人にとって馴染み深い緑茶をはじめ、さまざまなお茶にもカフェインが含まれています。お茶の中で特に多くカフェインを含んでいるのが、緑茶、紅茶、ウーロン茶です。いずれも同じ茶葉を加工したもので、発酵期間の違いによって色や風味が異なっています。
お茶といっても一部のハーブティーなど、茶葉を使用しないものも存在します。眠気覚ましとしてお茶を飲むときは、カフェインを含んでいるタイプを選びましょう。より眠気へ対処したいなら、緑茶を飲むときに玉露を選ぶのもおすすめです。
4.栄養ドリンク
いわゆるエナジードリンクなどの栄養ドリンクも、カフェインを多く含みます。特徴は、カフェインのほかにも、アミノ酸など滋養強壮に効果的とされる成分が含まれていることです。商品ごとに売りとしている成分構成が異なり、カフェイン以外の成分も手軽に摂取したい方に向いています。
また、栄養ドリンクはコーヒーよりもカフェインを多く含んでいます。眠気覚ましには良いですが、一方で、砂糖も多く含んでいる点に注意しなくてはなりません。寝不足だからと何本も飲みすぎると、カフェインや砂糖を多く摂取するリスクがあります。
5.眠気覚まし用のドリンク
栄養ドリンクと似たような形状で販売されているのが、眠気覚まし用のドリンクです。眠気覚まし効果を訴求ポイントとしているため、ほかの飲み物よりも多くのカフェインを含んでいる商品がほとんどです。
また、眠気覚まし用ドリンクも砂糖を多く含んでいる場合が多く、栄養ドリンクと同じく飲む量に注意しなくてはなりません。1日1本までと決めたり、会議の前など重要な場面のときのみに飲んだりと、無理のない付き合い方を考えましょう。
6.清涼飲料水
コーラやエネルギーチャージ系の炭酸飲料など、清涼飲料水の中にもカフェインを含んでいるものが少なくありません。コーヒーや栄養ドリンクと比べるとわずかな量ですが、人によっては十分な眠気覚ましとなります。
炭酸系の清涼飲料水なら、口内や喉ではじける炭酸の刺激も、寝不足の体をリフレッシュさせてくれます。ほかには、柑橘系コーラなど酸味の強い飲み物もおすすめです。さっぱりした味わいで目が覚める可能性もあります。
寝不足から抜け出すための対処法
カフェイン入りの飲み物で解消できるのは、寝不足による一時的な眠気のみです。睡眠が足りずに蓄積した疲労やダメージを根本から解決できるわけではないため、あくまで一時しのぎとして利用するようにしましょう。
寝不足による眠気を根本的に解決するためには、やはり生活リズムの見直しと、十分な睡眠で体を休ませることが大切です。
おすすめの対処法として、最後に4つのポイントを紹介します。
寝る前にカフェインやアルコールは飲まない
眠気覚ましに効果的なカフェインは、寝る前に飲むと寝つきにくくなってしまいます。一見すると寝つきを良くしてくれそうなアルコールも、実際は眠りを妨げる原因となるため注意が必要です。
就寝前は、カフェインやアルコールはできる限り避けるようにしましょう。
朝日を浴びるようにする
毎日きちんと朝日を浴びることも、寝不足の根本的な解消につながります。
寝不足の人は、体内時計がズレている状態です。寝るべき時間帯にきちんと睡眠モードとなれるよう、ズレてしまった体内時計を修正しなくてはなりません。体内時計の修正には、日光を浴びることが大切です。
体内時計のズレが修正されれば、正しい時間帯に睡眠がとりやすくなります。
眠くなったら15~20分以内の仮眠をとる
寝不足の人は、無理せず適度な仮眠をとることも意識しましょう。眠いときや昼食後など、時間があるときに15~20分程度の仮眠をとると、リフレッシュできます。
ただし、時間があっても夕方以降の仮眠は避けたほうが無難です。あまりに遅い時間に仮眠をとると、夜の睡眠の妨げとなってしまうおそれがあります。
就寝前はリラックスできる状態にする
寝不足の解消には、しっかりと質の良い睡眠をとることがポイントです。眠りが浅くなってしまう方は、就寝前の準備を工夫してはいかがでしょうか。
たとえば就寝の2時間前には入浴して体を温めたり、ストレッチしたり、照明を落としたりする方法が挙げられます。自分に合った方法で、就寝前に心と体をリラックスさせてあげましょう。
まとめ
寝不足の原因は、人によってさまざまです。中には時間的余裕はありつつも、心身の緊張でなかなか眠れない方や、眠りが浅い方もいます。
就寝前の行動に注意することで解決できるケースもありますが、必ずしも思うように解決できるものでもありません。どうしても寝不足状態になってしまうときは、コーヒーなどカフェインを含む飲み物で、頭をすっきりさせてみるのも良いでしょう。