眠いのは成長期のせい?眠い理由や眠くならないための対策を解説

<strong>眠いのは成長期のせい?眠い理由や眠くならないための対策を解説</strong>

「どれだけ寝ても眠たい」、「授業中に眠たくなって困る」など、成長期にあたる子どもは強い眠気を感じることがあります。しかし、日中に眠気を感じるのは、本当に成長期が原因なのでしょうか。今回は、成長期の子どもが日中に眠気を感じる理由や、日中の眠気対策について解説します。

日中でも眠いのは成長期のせい?

子どもが日中に眠気を感じていると、「成長期だから」といわれることがあります。しかし、日中でも眠いのは、本当に成長期が原因なのでしょうか。

成長期だから眠くなるという科学的根拠はない

「成長期はよく眠くなる」と聞いたことがある人もいるでしょう。その理由として、成長ホルモンや性腺刺激ホルモンの影響が挙げられることもありますが、実はこれらの話に科学的根拠はありません。

成長期の子どもが、日中に眠気を感じる状態になりやすい傾向にあるのは事実です。しかし、眠気を感じる原因は、生活スタイルや心身の変化によるものだといわれています。成長期であること自体が、日中の眠気の原因になることはないと考えて良いでしょう。

成長ホルモンの分泌には睡眠が必要

日中の眠気と成長期の関係に科学的根拠はありませんが、成長期に十分な睡眠をとることは大切です。

成長期には、身長が伸びたり筋肉が発達したりと、体が大きく変化していきます。その体の変化のために重要な働きをする成長ホルモンは、睡眠中に分泌されるのです。

夜更かしなどで睡眠時間が足りなくなると、成長ホルモンの分泌が妨げられて分泌量が減ってしまうため、成長期にはしっかり睡眠をとる必要があります。

成長期に眠いと感じる子どもが多い理由

日中の眠気と成長期の関りには、科学的根拠はありません。しかし、成長期の子どもが、日中に眠気を感じる状態になりやすいのは事実です。なぜ昼間に眠いと感じる子どもが多いのか、その理由を見ていきましょう。

睡眠時間が足りていない

成長期に眠いと感じる子どもが多い理由のひとつが、単純に睡眠時間が足りていないことです。成長期の子どもは、7~8時間程度の睡眠時間をとることが理想とされています。

しかし、勉強やゲームのために夜更かししたり、部活などで朝早く起きたりして、睡眠時間が十分にとれていない子どもが多いのです。

とくに24時間稼働のお店が増え、スマートフォンやゲームなどが普及した現代は、睡眠不足の子どもが増加しているといわれています。

人間は睡眠中に記憶を定着させたり整理したりするため、睡眠時間が不足すると体調面だけでなく、学習面にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

睡眠の質が悪い

しっかり睡眠時間を確保しているのに日中に眠たくなる場合は、睡眠の質が悪いのかもしれません。

最近は、中高生でも自分専用のスマートフォンをもっていることが多いでしょう。そしてスマートフォンが手元にあれば、ついついSNSを見たりゲームをしたりと、寝る直前まで触ってしまうのではないでしょうか。

そうして寝る直前までPCやスマートフォンを扱ったり、ゲームをしていたりすると、脳に興奮や光の刺激が伝わって睡眠の質が下がってしまうのです。

また、思春期に入っての心身の変化も、睡眠の質が下がる原因になります。中高生になると、それまでよりも学校生活や部活、塾などが忙しくなったり、人間関係が複雑化したりして悩むことがあるでしょう。

そうした環境の変化に負担を感じていたり、ストレスが溜まっていたりすると、寝つきが悪くなることがあるのです。

学業やスポーツで疲れやすい

学業やスポーツなどで疲れやすいことも、成長期の子どもが眠たくなる原因です。中高生になると生活スタイルが大きく変わり、勉強や部活などが忙しくなりがちです。

交友関係や行動範囲が広がって、休日に外で遊んだり、遠出して買い物したりする機会も増えるでしょう。すると、だんだん体に疲れが溜まってきます。

通常はしっかり睡眠をとれば、体の疲れは回復するものです。しかし、するべきことが多くて疲れが溜まると回復が追いつかなくなり、日中に眠いと感じることがあります

眠い成長期を乗り越えるには?成長期の睡眠対策

成長期の子どもは、授業や部活、遊びなど、毎日するべきことがたくさんあるものです。日中に眠いと感じると、困る場面も多いでしょう。

なるべく日中に眠気を感じないようにするにはどうすれば良いのか、成長期の睡眠対策について解説します。

寝る前にスマートフォンやPCを扱わない

成長期の睡眠対策のひとつが、就寝する2時間前までに、スマートフォンやPCを扱うのを止めることです。寝る前にスマートフォンやPCを扱うと、脳が光の刺激を受けて寝つきが悪くなるため、日中に眠気を感じやすくなります。

寝る前にSNSを見たりゲームをしたりすると、続きが気になったり気持ちがたかぶったりしてついつい夜更かししてしまい、睡眠時間が短くなることもあるでしょう。

寝る前はできるだけスマートフォンやPCを扱わないようにすれば、睡眠の質が上がり、睡眠時間もしっかり確保できるようになります。

十分な睡眠時間を確保する

日中に眠いと感じないようにするには、十分な睡眠時間を確保することも大切です。成長期である中高生は、勉強も大事な時期でしょう。

しかし、試験勉強などで夜更かしすると、日中に眠くなる可能性があります。寝不足になると記憶の定着にも影響するため、「夜遅くまでがんばって勉強しているのに、思うように成績が上がらない」という事態にもなるかもしれません。

試験が近くても、なるべく夜更かししないように気をつけて、7~8時間は睡眠時間を確保するよう心がけましょう。あまりに睡眠時間が短い状態が続いている場合は、生活スタイルを見直す必要があります。

朝型の生活に変えて朝日を浴びる

ついつい夜更かししてしまうなどで夜型の生活になっている場合は、朝型の生活に変えて朝日を浴びることも大切です。朝日を浴びると体内時計の働きが正常になり、夜に寝つきやすくなります。

朝日を浴びることにより「セロトニン」という物質の分泌が促進されることも、重要なポイントです。セロトニンとは、人の体を目覚めさせたり意欲を高めたりする働きをもつホルモンです。

睡眠の質を上げる効果をもつ「メラトニン」というホルモンの材料としても使われるため、朝日を浴びてセロトニンをしっかり分泌させれば、ぐっすり眠れるようになります。

夜に勉強する習慣がある人は、朝早めに起きて勉強する生活に変えるなど、スケジュールを調整してみましょう。

また、最近は朝食をとらない子どもが増えていますが、朝食をとらないと体温が上がりにくく脳が活性化しないため、日中に眠気を感じやすくなります。しっかり朝食もとるようにしましょう。

眠いと感じたら仮眠する

日中にどうしても眠いと感じるようなら、仮眠をとることも検討してみましょう。成長期はどうしても忙しくなりがちなので、朝型の生活に変えたり睡眠時間を確保したりするよう意識しても、疲れがとれず眠気を感じることがあります。

そんなときに少しだけ仮眠をとれば、眠気がとれて勉強も捗るようになるでしょう。仮眠の時間は、15分以内が目安です。厚生労働省発表の「健康づくりのための睡眠指針 2014」では、午後の早めの時間に20分以内の昼寝をすると良いとされています。

20分以上の長い仮眠を取ると、かえってだるくなってしまうことがあるので、長く寝すぎないよう注意しましょう。

出典:「健康づくりのための睡眠指針 2014」(厚生労働省)

まとめ

「成長期は成長ホルモンなどの影響で眠くなる」という話に科学的根拠はありません。しかし、成長期である中高生くらいの子どもは、生活スタイルの変化やストレスなどによって、日中に眠いと感じやすい傾向にあります。

授業中に眠たくなったり、どれだけ寝ても眠気を感じたりして困っているなら、朝方の生活に変える、寝る前にスマートフォンを触らないなど工夫してみましょう。

それでも日中に眠たくなる場合は、思い切って仮眠を取るのもおすすめです。午後の早い時間に15分ほど仮眠をとれば、すっきり眠気が覚めるでしょう。今回紹介した内容を参考に、お子さまの眠気対策を考えてみてください。

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