寝すぎるとどうなる?身体への悪影響や寝すぎの原因、対処法を解説

寝すぎるとどうなる?身体への悪影響や寝すぎの原因、対処法を解説

睡眠時間が短すぎると良くありませんが、寝過ぎるとどうなるのか気になる人もいるでしょう。普段から寝すぎることが多いなら、健康に悪影響がないか不安になるかもしれません。

この記事では寝すぎることの悪影響や主な原因、解消方法について解説していきます。

寝すぎるとどうなる?身体への悪影響とは

人によって感じ方が異なりますが、9時間以上の睡眠が「寝すぎ」に該当します。寝すぎによって引き起こされる身体への悪影響について見ていきましょう。

生活リズムが乱れる

普段よりも長く寝ると夜になっても眠気を催さず、眠れなくなることが多いです長く寝る日と少ししか寝ない日があり、生活のリズムが崩れる原因になります。

生活のリズムを保つためには、睡眠時間と起床時間を一定にすることが大切です。

長く寝れば、それだけ起きている時間が減るので、1日の活動時間が足りなくなってしまいます。

頭痛が起こりやすい

寝すぎると、こめかみあたりに痛みが生じる人もいるでしょう。寝すぎることで起こる頭痛には、医学的な因果関係はありません。副交感神経が優位になると、脳の血管が膨張して三叉神経が刺激され、偏頭痛を起こすことが多いと考えられています。

もともと偏頭痛を持っている人は、寝すぎで誘発しやすいです。起きたときに偏頭痛を感じている場合、寝すぎが原因で生じている可能性があるでしょう。

太りやすくなる

寝ている時間が長ければ、必然的に活動量は減少するでしょう。睡眠中は起きているときよりも体温が低下するため、消費カロリーが少なくなります。

起きている間に運動をすれば問題ありません。しかし、長時間睡眠と運動不足が重なると体重は増えやすくなってしまいます。

睡眠不足も肥満につながりやすいですが、長時間睡眠も同様です。適度な睡眠をとるのが良いでしょう。

心臓と血管の病気の発症リスクが上がる

睡眠時間が長すぎると、心筋梗塞や狭心症などのリスクにも注意しなければなりません。虚血性心疾患や高血圧、脳梗塞などになる人も多い傾向にあります。

ロザリンド・フランクリン医科大学とシカゴ・メディカル・スクールの研究チームが、45歳以上のアメリカ人3,000人に対して研究を行いました。その結果、睡眠時間が8時間を超える人は、6~8時間の人よりも狭心症の割合が2倍高かったそうです。冠動脈疾患の割合も1.1倍高かった結果でした。

また、睡眠時間が短い人も、長すぎる人と同様にリスクが上がります。

寝すぎの主な原因6つ

寝すぎてしまう主な原因について見ていきましょう。

日常的な疲れ

疲れが溜まっているときには、回復するために休憩が必要です。通常どおりの睡眠時間だけではなかなか回復しないでしょう。身体と精神の疲労回復のために睡眠時間が増えます。

長時間の睡眠で疲れが回復し、翌日以降は通常どおりの睡眠時間で済むようになれば問題ありません。

しかし、異常な眠気や疲労感が長く続く場合には病気の可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。

睡眠不足

普段から睡眠時間が足りていないと、慢性的に睡眠不足の状態が続き、睡眠負債が溜まっていきます。仕事が忙しく残業が続くと十分な睡眠時間を確保するのが難しくなり、睡眠負債が多く溜まってしまうかもしれません。

休日になると、寝だめをして日頃の睡眠不足を補おうとする人もいるでしょう。しかし、寝だめでは睡眠負債を解消できません。1週間トータルの睡眠時間は足りていても、昼間に眠気に襲われやすくなります。

睡眠負債を解消するためには、必要な睡眠時間を毎日確保しなければなりません。

遺伝・体質

生まれつき長時間睡眠が必要なロングスリーパーもいます。明確な定義はありませんが、1日でおおむね10時間以上の睡眠が必要な人と捉えて良いでしょう。

ロングスリーパーは、病気ではなく遺伝的な要素が強い体質です。夜間の睡眠時間が長くても過眠症とは異なるため、日中に強い眠気が現れず、正常に活動できます。

普段から寝すぎていても、問題なく日常生活を送れているなら、ロングスリーパーの可能性があるでしょう。

年齢の若さ

年齢を重ねると必要な睡眠時間は少しずつ減少します。若者や子供は中高年よりも睡眠時間が多く必要です。1日に10時間以上寝る人もいるでしょう。

その理由は、若いうちは身体が成長するためです。スポーツをしている人などは、日中に体力を消耗するため、回復のために睡眠時間が多く必要でしょう。

若さによる過眠は、あまり心配しなくても問題ありません。

女性ホルモン

女性ホルモンの影響で強い眠気に襲われることもあります。特に生理前の女性だと、十分な睡眠時間を確保していても、眠くなるかもしれません。

生理前に多く分泌される「プロゲステロン」という女性ホルモンが、眠気に関係しています。体温が高い状態が続き、寝ているときと起きているときの差が小さくなりがちです。その影響で、十分に寝ても眠く感じてしまいます。

また、妊娠初期に眠くなりやすい場合にも、プロゲステロンが関係している可能性が高いです。身体を休ませようとするため、眠気を催してしまいます。

過眠症

過眠症は日中に起きていられないほどの強い眠気を感じる病気です。ナルコレプシー・特発性過眠症・反復性過眠症の3タイプに分かれています。

ナルコレプシーは10代に発症しやすく、周囲の状況にかかわらず突然眠ってしまうのが特徴です。眠った後は10~20分程度で目が覚めます。

特発性過眠症もナルコレプシーとほぼ同じ症状ですが、程度は軽めです。

反復性過眠症は、ほぼ1日中眠る日が数日から数週間程度続き、いったん正常に戻っても反復継続されます。ナルコレプシーや突発性過眠症よりも患者数は少なめです。

いずれも自己治療は難しいため、通院や薬による治療が必要です。

また、過眠症とは別にうつ病により睡眠障害を起こすこともあります。

すぐに試せる!寝すぎの対処法

寝すぎを防止するには、睡眠の質を良くする必要があります。では、具体的な対処法について見ていきましょう。

起床・就寝時間を一定に保つ

日頃から規則正しい生活を送ると、寝すぎを防止できます。毎日同じ時刻に起床して朝日を浴びるようにすると、自然と起きられます。休日でも遅くまで寝ているのは避けましょう。

食生活を見直す

食事も毎日決まった時間に1日3食とると、生活のリズムが整いやすくなります。特に朝食は大事です。

また、カフェインやアルコールに注意しましょう。カフェインには覚醒作用があるため、寝る前にコーヒーや紅茶などを飲むと、睡眠が妨げられます。寝酒は寝つきやすくなりますが、睡眠が浅くなり、途中で目が覚めやすいです。

日中に短時間仮眠する

体内時計の影響により、午後2時から4時は眠くなることが多いです。眠気を堪える人も多いかもしれませんが、短時間の仮眠をとってみましょう。疲れが回復しやすく仕事が捗ります。

仮眠をとる際には15~30分以内を目安に、午後3時までに済ませると良いでしょう。午後3時を過ぎてからだと、体内時計に影響し、夜に眠れなくなってしまう可能性があります。

まとめ

疲れや睡眠不足などが原因で、休日などに寝すぎる人が多いです。生活のリズムが乱れやすく、心筋梗塞や狭心症などのリスクも高まり、健康へ悪影響を与えます。

良質な睡眠をとるには、寝溜めを避けて食生活を見直し、規則正しい生活を心がけましょう。毎日決まった時間に寝起きすれば自然と体内時計が整えられ、寝すぎも防止できます。

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