【睡眠が浅くて疲れが取れない悩みに】原因と対処法を解説

【睡眠が浅くて疲れが取れない悩みに】原因と対処法を解説


「十分寝ているのに疲れが取れない」「眠りが浅い」など、睡眠にまつわる悩みを抱えていませんか。心地よく眠れない日々が続くと日中の活動に支障をきたすだけでなく、深刻な病気を引き起こすおそれがあります。睡眠が浅いと日頃から自覚しているのであれば、早めに改善したいところです。

今回はぐっすり眠って疲れを取りたい方のために、眠りが浅くなる原因と浅い眠りから脱却して睡眠の質を向上させる方法をご紹介します。

>眠りが浅いと疲労回復が妨げられる?

睡眠には心身の疲労を回復させる効果があるものの、眠りが浅いと疲労が回復しづらくなります。

睡眠には浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠、ふたつの睡眠状態があります。レム睡眠は体だけ眠っていて脳は起きている状態、ノンレム睡眠は脳も休息している状態です。

通常、レム睡眠とノンレム睡眠は約90分周期で一晩に4〜5回現れます。

ノンレム睡眠が得られると体の修復や疲労回復を促す成長ホルモンがたくさん分泌されるので、体内での代謝活動が活発になります。脳も休まるので精神的な疲労も回復し、ストレスに耐える力も向上します。

一方、レム睡眠の場合、体は休んでいるものの、脳は活動しています。そのため、レム睡眠中は脳が活発化し、さまざまな情報を記憶として定着させます。夢をよく見る、金縛りにあうなどもレム睡眠のときに起こる現象です。

この周期を繰り返すには、6~8時間程度の睡眠時間を確保することが理想とされています。しかし、睡眠時間が少ない、つまり眠りが浅いとノンレム睡眠とレム睡眠の周期が崩れてしまい、疲労が取れにくくなるのです。

眠りが浅くなる原因は3つの乱れ

浅い眠りが続くなど睡眠の質が悪いまま過ごしていると、体調を崩しかねません。眠りが浅くなる原因はさまざまですが、原因がわかれば対処法も見えてきます。

まずは、眠りが浅くなる原因から見ていきましょう。

自律神経の乱れ

自律神経のバランスが乱れると睡眠の質が低下し、眠りが浅くなってしまいます。自律神経とは身体の働きをコントロールする神経で、交感神経と副交感神経のふたつから成り立っています。

身体を緊張させて活動に導くときは交感神経が働き、身体をリラックスさせて休息に導くときは副交感神経が働きます。

交感神経は起きているとき、副交換神経は寝ているときに活発になるため、本来であれば寝ている間は副交換神経が優位に働きます。

しかし、ストレスを抱えてイライラしていると、交感神経を優位にして脳の働きを活性化させるので、就寝前にイライラしていると寝つきが悪くなり、眠りも浅くなってしまうのです。

ホルモンバランスの乱れ

睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの不足も、眠りを浅くする原因のひとつです。メラトニンは脳の松果体から分泌されるホルモンで、覚醒と睡眠を切り替えて眠気を引き起こす作用があります。

本来ならメラトニンの分泌量は朝になると減少し、夜になると増加し、睡眠を促してくれます。

すると脳は活性化して、眠りが浅くなってしまうのです。

寝る直前までにスマートフォンやパソコンを見て寝つきにくくなるのも、メラトニンの分泌が抑制されている原因のひとつとして挙げられるでしょう。

部屋の照明も、睡眠の質に影響を及ぼす一因です。照明は暗ければ暗いほどメラトニンは分泌されますが、照明が明るいとメラトニンの分泌を抑制してしまいます。

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、睡眠の質を低下させます。眠りを浅くしないためにも、日頃の生活習慣を見直しましょう。

カフェインの過剰摂取

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには脳を覚醒する作用があるため、摂りすぎには注意が必要です。覚醒作用の持続時間には個人差があるものの、一般的には若い方で1〜2時間、高齢の方で4〜5時間以上続くといわれています。

そのため、就寝前にカフェインを摂りすぎてしまうと脳が覚醒してしまい、寝つきが悪くなってしまうおそれがあります。

カフェインには利尿作用もあるので、トイレに行く回数が増えるとせっかく眠りについても睡眠が途中で遮られてしまうこともあるでしょう。可能であれば15時以降、少なくとも夕食以降のカフェイン摂取は極力控えましょう。

アルコールの過剰摂取

アルコールには気持ちを落ち着かせて、寝つきをよくする作用があるといわれています。眠れない人の中には、寝酒をして眠りに入りやすくしようと考える人もいるでしょう。

しかし、アルコールを体内に取り込むと、代謝される過程で生じるアセトアルデヒドが覚醒作用をもたらし、脳が興奮して眠りが浅くなります。その結果、かえって眠りにくくなるのです。

あわせて、アルコールにはカフェインと同じく利尿作用もあるため、起きる回数が増えてしまい、睡眠の質は下がります。

また、寝る前の飲酒を習慣にすると次第にアルコールへの耐性がついて、徐々に眠気を感じにくくなります。眠るためにアルコールの量が増えていくとアルコール依存症を発症するおそれもあるため、注意が必要です。

浅い眠りから脱却して睡眠の質を向上させる方法

浅い眠りを改善するために、ここからは浅い眠りから脱却して睡眠の質を向上させる方法を紹介します。

生活リズムを整える

睡眠の質を上げるには、生活リズムを整えることが不可欠です。生活リズムが乱れると心や体に悪影響を及ぼすので、起床と食事、入浴の時間を見直して快適な睡眠を手に入れましょう。

朝は毎日同じ時間に起床して、日光を浴びるのがポイントです。朝、起きてから太陽の光を目に入れると、約14〜16時間後くらいには自然に眠気が訪れるといわれています。

夕食は就寝2~3時間前までに済ませておくと、リラックスした状態で布団に入れます。胃の中に食べ物が残っていると消化のために胃腸が働き続けるので、脳も覚醒した状態となり、入眠しにくくなります。

入浴も快眠につながる大事な習慣ですが、寝る直前に入浴すると深部体温が上がって寝つきが悪くなるので注意が必要です。上昇した体温は90分ほどかけて徐々に下がり、眠気が誘発されるようになっているので、入浴は就寝する1時間半~2時間前に済ませるようにしましょう。

また、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用もNGです。スマートフォンやパソコンから発する光を浴びると睡眠の質が低下するため、使用する場合は就寝1時間~30分前まで使うと決めておくと良いでしょう。

より良い睡眠環境を作る

睡眠の質を良くするためには、快適な睡眠環境を整えることも大切です。室温が暑すぎたり寒すぎたりすると体温調節がうまくいかず、寝つきが悪くなるため、室温は16~26℃に保つのが理想的です。

夏場は室温が28℃を超えると睡眠の質は低下するので、エアコンなどで調節して26℃に設定するようにしましょう。冬場は16℃~19℃に保つと深い眠りが得られます。

また、湿度についても、通年で50%前後を保つのがおすすめです。湿気が多いと暑苦しく感じ、逆に湿気が低いと喉が乾燥してしまって眠りにくくなります。

そのため、夏場はエアコンの除湿機能を、冬場は加湿器などで湿度をコントロールするようにしましょう。

寝つきを良くしたい場合は、眠る1〜2時間前から暗めの白熱灯の下で過ごすと良いでしょう。睡眠中に適した部屋の明るさは、4ルクス以下になります。真っ暗だと不安な方は同程度の明るさのフットライトや暖色系の間接照明を活用し、安心できる程度の明るさに設定してください。

まとめ

眠りが浅いせいで疲れが取れないときは、自律神経やホルモンバランス、生活習慣の乱れが原因になっている可能性があります。

眠りが浅いと感じたら、生活習慣を改めたり、部屋の環境を整えたりしてみると睡眠の質が向上するかもしれません。眠れないとお悩みの方はぜひ試してみてください。

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