疲れが取れない原因は?睡眠と生活の見直しをしよう

疲れが取れない原因は?睡眠と生活の見直しをしよう


「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」と感じることはありませんか。もちろん、睡眠時間の確保は大切ですが、原因はそれだけに限りません。

疲れが取れず日中眠くなってしまうのは、生活や睡眠環境などさまざまな要因が考えられるでしょう。そこで今回は、疲れが取れない原因と対処法を紹介します。

そもそも「疲れ」とは?

疲れを放置しておくと、次第に疲労が蓄積され、さまざまな症状がみられるようになります。まずは、疲れの症状や種類について解説します。

疲れが引き起こす体の症状

疲れが蓄積され続けると、肉体や精神的に大きな負担がかかり、体の機能が一時的に低下してしまいます。目に見えないため、自分で気づくのが難しいかもしれませんが、疲れは心身が発する大切なアラームです。

しかし、疲れの感じ方は個人差が大きいものです。

例えば、集中できない、眠れない、体がだるいなど、疲れが溜まるとさまざまな支障がでてきます。このような症状は体の防衛反応であるため、無理をせず休んで疲労回復に努めましょう。

疲れの種類

疲れには3つの種類があります。疲れを改善するために、原因を知ることからはじめましょう。

肉体的疲労

肉体的疲労は、体を動かすことで引き起こります。肉体的疲労は末梢性疲労とも呼ばれ、倦怠感が特徴です。

家事やスポーツによる疲労は肉体的疲労に分類され、運動量の限界を超えると、パフォーマンスの低下や反応の遅延がみられます。肉体的疲労により筋肉のなかに疲労物質が溜まると、筋肉痛が起こる場合もあります。

神経的疲労

神経的疲労は、脳を使うことで引き起こされます。神経的疲労は中枢性疲労とも呼ばれ、頭が重いと感じるときは、神経的疲労を疑いましょう。

神経的疲労は、勉強やパソコン作業など、頭を使う頻度が高いときに発症します。過剰な情報に触れ続けることは、脳にとって負担が大きいのです。

神経的疲労の蓄積は、集中力や注意力、思考力の低下をまねき、作業効率も悪くなりがちです。さらに、やる気が低下することで、モチベーションが保ちにくくなります。

精神的疲労

精神的疲労は、ストレスや緊張が原因で引き起こされます。いわゆる心の疲れであり、不安から寝つきが悪くなってしまうことも精神的疲労のひとつです。「休みたいのに頑張り続けなければならない」と思いはじめたら要注意です。

疲れが取れない原因3つ

疲れが取れない原因には、エネルギー不足、睡眠不足、運動不足が関係しています。それぞれ詳しく解説します。

エネルギー不足

食生活の乱れや偏食、極端なダイエットは、エネルギー不足を招いてしまいます。必要なエネルギーが確保できないと、体が動かない、脳の働きが悪くなるなどがみられます。

人間にとって糖質、タンパク質、脂質は重要なエネルギー源です。脳のエネルギー源としての役割がある糖質や、体のエネルギー源になる脂質は、体にとって必要な栄養素です。

そのため、ダイエットによる食事制限や食生活の乱れなどにより栄養不足になると、体のダメージ回復が遅れ、疲れを溜め込みやすくなります。

睡眠不足

睡眠は疲労回復に欠かせません。脳の疲労を回復させるには、睡眠をとることが大切です。

ただ、疲労回復につながるような睡眠をとるためには、リラックスする必要があります。夜間に交感神経が高ぶっている状態では、質の良い睡眠を取るのは難しいでしょう。「眠らないと」と焦る気持ちは、かえって交感神経を優位にさせてしまうため、まずはリラックスできる環境を整え、副交感神経を優位にさせることが大切です。

寝ている間は、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠が繰り返されます。この2つは脳の覚醒度合いによりわけられており、疲労回復のためには質の良いノンレム睡眠が必要です。また、脳の回復を促すためには、7~8時間程度の睡眠時間が必要といわれています。

しかし、睡眠時間が足りていない、極度のストレスを受けている、自律神経の乱れなどが加わると睡眠の質が低下してしまうため注意が必要です。

運動不足

筋肉量が低下してエネルギーが作られず、電池切れになってしまうと疲労が溜まりやすくなります。電池切れの状態になると、代謝が悪くなり、活性酸素が発生しやすくなります。活性酸素による酸化ストレスで、神経細胞が傷ついてしまうため、疲れやすくなってしまうのです。

動くのがおっくうになると、さらに筋肉量が低下して疲れやすくなり、悪循環に陥ります。また、運動不足により筋肉量が少なくなると、体温や免疫力にも影響します。疲労感に加えて、体温や免疫力が低下すると、体調を崩す原因にもなりかねません。

疲れを取りにくくするNG習慣

日常生活で疲労回復が遅れる生活習慣を紹介します。

カフェインの過剰摂取

カフェインは、眠気覚ましや集中力の持続に効果が期待されています。とはいえ、取りすぎると脳が興奮してかえって疲れやすくなります。カフェインの過剰摂取は不眠の原因になるため、栄養ドリンクやコーヒーに含まれるカフェインに頼らない生活を心掛けましょう。

甘いお菓子の食べ過ぎ

甘いものは疲れを取るために有効ですが、過剰摂取はNGです。血糖値が乱高下すると体に負担がかかって、急激な血糖値の変動により気分が不安定になり、イライラしやすくなったり、疲労を感じやすくなったりします。

健康的なイメージのある果物も、ビタミンやミネラルが豊富ですが、糖分も多く含んでいます。甘いものには、血糖値を急上昇させる作用があるため、食べ過ぎないように気をつけましょう。

休日にゴロゴロ寝て過ごす

疲れを取るためにダラダラ寝ていると、逆に疲れてしまうことがあります。活発な活動をサポートする交換神経と、リラックスをサポートする副交感神経のバランスを保つことは、疲労回復のためにも大切です。

しかし、休日に動かずゴロゴロしていると交感神経と副交感神経の交代がしにくくなり、夜間の睡眠に支障がでてしまいます。また、週末の寝だめも、体内時計のリズムが乱れるためおすすめしません。

睡眠負債はすぐに改善できず、健康へのリスクが大きいため、効率的に休息を取ることが重要です。

暴飲暴食

食べ過ぎも疲れのもとです。たくさん食べると、消化に多くのエネルギーを要します。食べ過ぎは、消化で内臓を疲労させ、効率良くエネルギー摂取ができなくなります。疲れているからといって、必要以上に食べ過ぎないようにしましょう。

疲れを速やかに取り除くポイント

疲れを速やかに取り除く方法や注意点を解説します。

食生活を見直す

食事からしっかりエネルギーと栄養を補給することで、疲れにくくなります。1日3回、タイミングを整えてバランス良く食べるようにしましょう。ポイントは、炭水化物、タンパク質、脂質を意識して摂ることです。

疲労回復には、イミダペプチドやビタミンB群、クエン酸の摂取が最適です。鶏肉などに含まれるイミダペプチドには抗酸化作用があり、柑橘類や梅干しなどに含まれるクエン酸には、ミトコンドリアのエネルギー生産をスムーズにする働きがあります。

豚肉やうなぎ、卵などに含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝を高め、疲労回復に効果が期待できます。

また、夕食は就寝の3時間前までに済ませるようにしましょう。早めに食事をとることで、胃への負担も軽減できます。血糖値がやや下がったころが睡眠に適しているので、余裕をもって食事を終えるようにしましょう。

睡眠環境を改善する

疲労回復には睡眠が一番です。最低7時間以上の十分な睡眠時間を確保し、効率良く疲れを取り除きましょう。とはいえ、睡眠時間をとるだけでは睡眠負債は減らせません。

睡眠の質にも着目することが大切です。寝る前に強い光を浴びると、体内時計が乱れ、睡眠の質が低下してしまうため、就寝前はパソコンやスマートフォンは使わないようにしてください。また、睡眠の質を高めるために、寝室を暗くして眠りやすい環境を作ると良いでしょう。

さらに、ゆっくりお風呂に入ることも睡眠の質を上げるコツです。入浴により血行促進効果も期待でき、寝つきがスムーズになります。

運動習慣を身につける

運動して筋肉量を増やし、疲れにくい体を作ることもポイントです。運動によって血流を良くすることで、疲労回復につながります。

入浴後の血流が良いときにストレッチをするのもおすすめです。疲労により筋肉がこわばると血流が悪くなります。体が温まったところでストレッチをすれば、筋肉のこわばりも和らぐでしょう。

また、汗で失われた水分の補給も心がけましょう。水分不足は血流低下も招きます。起床時や入浴後は、水や麦茶などのノンカフェインの飲み物を意識して摂りましょう。

まとめ

疲れが取れない原因は、エネルギー不足、睡眠不足、運動不足など多岐に渡ります。疲れにくい体を作るために、食生活を見直したり、睡眠環境を整えたり、運動習慣を取り入れると良いでしょう。

とはいえ、さまざまな対処法を試しても疲れが取れない場合は、医療機関への受診も検討することをおすすめします。

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