睡眠の質を上げる食べ物5選!食べ物と睡眠の関係や重要な栄養素も紹介

睡眠の質を上げる食べ物5選!食べ物と睡眠の関係や重要な栄養素も紹介

「寝ているはずなのに、熟睡できた感じがしない…」といったような悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。どれだけ睡眠時間をとったとしても、睡眠の質が低いと、目覚めが悪くなったり、日中眠気に襲われたりする場合があります。

睡眠の質を上げるには、睡眠環境を整えるほかに、毎日摂取する食べ物に目を向けることが大切です。今回は、睡眠の質を上げる食べ物について紹介します。

睡眠の質と食べ物の関係

睡眠と食べ物には、密接な関係があります。睡眠の質を下げる食べ物を摂取すると睡眠不足になってしまい、睡眠不足になると睡眠の質を下げる食べ物を摂取したくなるという悪循環です。

睡眠の質を上げるには、朝や夜の習慣も重要ですが、何を食べるかも非常に重要となります。

2016年にコロンビア大学で行われた研究では、食物繊維が少なく脂肪と糖分が多い食事をした人は睡眠が浅くなることがわかりました。その後、2018年に行われたアリゾナ大学の研究では、睡眠不足の状態だとジャンクフードが欲しくなることがわかっています。

そのため、睡眠の質を上げたいのなら、睡眠だけでなく、食事にも気を使う必要があります。朝や夜の習慣を変えても寝つきが悪いという人は、食べ物で睡眠の質を向上させる方法を試してみましょう。

睡眠の質を上げる3つの栄養素

そもそも睡眠の質を上げる栄養素にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、睡眠の質を上げる3つの栄養素を紹介します。

トリプトファン

トリプトファンは、必須アミノ酸の一種で、睡眠の質の向上にもっとも重要な栄養素です。トリプトファンは体内で生産することができないため、食べ物から摂取する必要があります。睡眠のリズムを作るセロトニンやメラトニンの合成に必要な栄養素です。

セロトニンとは神経伝達物質のひとつで、精神や感情の働きを落ち着ける効果があるといわれています。一方、メラトニンは体内時計を調整するホルモンで、覚醒と睡眠を切り替えるはたらきがあります。朝食時に摂取することで、生体リズムのスイッチが入って夜の快眠につながるのです。

トリプトファンは、鶏むね肉や牛肉、たらこ、アボカド、乳製品、大豆製品などに含まれています。味噌汁や納豆、ヨーグルト、チーズなど、食べやすい方法で積極的に朝食に取り入れましょう。

グリシン

グリシンは、体内で作ることができる非必須アミノ酸の一種です。体の末端部分の血流を促進して、体の深部体温を下げる働きがあります。

私たちの体は、寝ている間に汗をかいたり、手や足に溜まった熱を放出したりして、深部体温を下げる機能を持っています。

深部体温を下げると睡眠の質が上がるので、グリシンは快眠には非常に大切な栄養素です。グリシンはエビやホタテ、ほうれん草、ブロッコリーなどに含まれています。食材を食事に取り入れるのが難しい場合は、サプリメントなどで摂取すると良いでしょう。

GABA

GABAは、脳や脊髄などの中枢で働く神経伝達物質となるアミノ酸の一種です。抗ストレス作用や神経の興奮を鎮める作用が期待でき、睡眠の質を上げられるといわれています。

一般的に使われる睡眠薬には、GABAの作用を強める成分が配合されていることが多いです。GABAは、トマトやスプラウト、キムチ、漬物などに含まれています。

GABAの摂取は、基本的には1日のうちでいつでも問題ありませんが、就寝前が最もおすすめです。GABAが入ったお菓子類やバナナ、サプリメントなどを摂取してから寝ると良いでしょう。

睡眠の質を上げる食べ物5選

前項で睡眠の質を上げる栄養素について紹介しました。それらの栄養素を含み、睡眠の質を上げる食べ物を5つ紹介します。

ヨーグルト

ヨーグルトは、ダイエットや腸活などさまざまな場面で活躍している食べ物です。善玉菌を多く含むヨーグルトは、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。腸内環境が整うとメラトニンの材料となるセロトニンが生成されやすくなり、睡眠の質の向上が期待できるのです。

ヨーグルトに含まれるトリプトファンは、摂取後15〜16時間でメラトニンに変化します。そのため、おおよその就寝時間と逆算して朝食時に食べるのがおすすめです。

ヨーグルトなら調理が必要なく、そのまま食べることができるので、忙しい朝でも気軽に取り入れることができます。

アボカド

アボカドは森のバターと呼ばれるほど栄養豊富な食材です。そのまま食べたり、ほかの具材と混ぜてサラダにしたりと様々な食べ方があります。

アボカドは、睡眠に重要なセロトニンとメラトニンの分泌を促すトリプトファンを豊富に含む食材です。食物繊維や不飽和脂肪酸も豊富に含まれており、質の良い睡眠を促す働きをします。

皮を剥いたら調理をしなくても食べられるのがメリットのひとつです。皮が黒色になり柔らかい状態が食べごろとなります。お店で買えるものは、食べごろではないものもあるので、皮の色や柔らかさを見極めて食べましょう。

トマト

トマトは、リラックス効果やストレス軽減の効果が期待できるGABAを含んでいる食材です。それだけでなく、夏野菜なので、体温を下げる働きを持つカリウムも含まれています。

トマトを食べることによって、リラックス効果と深部体温の低下により寝つきが良くなり、睡眠の質の向上が期待できます。そのため、トマトは夕食時〜就寝前に食べるのが良いでしょう。

トマトは、リラックス効果や体温を下げる効果以外にも、さまざまな効果があるといわれています。たとえば、強力な抗酸化作用をもつリコピンや、風邪防止に有効なビタミンCや食物繊維が豊富です。食べるのが苦手な人は、トマトジュースでも栄養を摂取することができます。

トマトは非常に栄養価の高い食材なので、日常的に食卓に取り入れるのがおすすめです。

ハチミツ

人間の体は、血糖値が低くなると交感神経が働いて血糖値を上げようとし、高くなると副交感神経が働いて血糖値を下げようとします。そのため、糖分が足りないまま就寝すると、夜間低血糖になりやすくなるのです。

また、コルチゾールやアドレナリンなどの興奮を促す物質が出て寝つきが悪くなり、睡眠の質も低下してしまいます。

そんなときは、ハチミツを大さじ1〜2杯食べて適度に糖分を補うと、睡眠の質を上げることが期待できます。はちみつには糖分以外にトリプトファンも含まれているので、朝食時に摂取すると効果が高まるといわれているのです。

はちみつをそのまま食べるのが苦手な方は、40℃以下のぬるま湯に溶かして飲むのもおすすめです。ほんのり甘いものを飲むことによって、心も体もほっとすることができます。

ホタテ

ホタテは、深部体温を下げ、睡眠を促す働きのあるグリシンを豊富に含んでいる食材です。魚介類の中でも、最もグリシンの量が多いといわれています。

ほかにも、体の疲れを軽くしたり、中性脂肪値を減らしたりする作用が期待できるタウリンや、葉酸、亜鉛など体に大切な栄養素も多く含んでいます。栄養素や旨味を逃さないように焼く、炒める、揚げる、スープにするなどがおすすめです。

まとめ

睡眠の質を高めるには、1日の習慣や夜寝る前の習慣などが重視されがちですが、実は食材の選び方でも睡眠の質が左右されます。

なかなか寝つけなくて困っている、寝ているつもりなのに疲れがとれないという人は、睡眠の質が悪くなっている可能性が高いです。

そんな人は、毎日の食事に今回紹介した睡眠の質を高める栄養素を含む食材を取り入れ、体の中から質の良い睡眠をとる工夫をしてみてはいかがでしょうか。

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