眠気覚ましにコーヒーを飲むと良い、コーヒーには眠気を覚ますカフェインが含まれている、と聞いたり、知っていたりする方は多いでしょう。
実のところカフェインはコーヒー・紅茶以外の飲み物にも含まれており、眠気覚まし以外にも多くの効果が期待されている成分です。しかし、カフェインは多量に摂取すると健康被害が出ることもあります。
この記事では、日中の眠気に悩んでいる方へ向け、カフェインを多く含む、眠気覚まし効果が期待できる飲み物や、摂取の注意点についてご紹介します。また、カフェインによる眠気覚ましだけでなく、そもそも眠気を感じにくくなる生活習慣についてもご紹介しますので、そちらも参考にしてみてください。
眠気覚ましになる!カフェインの効果とは
カフェインはコーヒー豆・カカオ・茶葉に多く含まれる、苦みのある成分です。カフェインには眠気覚まし・鎮痛作用・疲労回復・集中力アップなどの効果が期待されています。量や飲み物の種類にもよりますが、カフェインの効果は即効性があり、数時間続くとされています。
カフェインを摂取すると眠気が覚めるのは、脳内で眠気をつくる物質である「アデノシン」の働きを阻害する効果があるためです。通常、アデノシンが働くと脳の覚醒作用がストップし、神経が落ち着く働きがあるのですが、カフェインが体内に取り込まれるとこの働きが止まります。
よって、カフェインは眠気覚ましに効果があるといわれているのです。
眠いときにおすすめの飲み物5選!
ここでは眠気覚ましに効果的な、カフェインを多く含む飲み物をご紹介します。それぞれに含まれるカフェインの量と、一日に摂取できる量も併記していますので参考にしてみてください。
1.コーヒー
カフェインが含まれる飲み物といえば、コーヒーを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。カフェインの量は、抽出方法やホットかアイスなどかによって異なりますが、実際にコーヒーには比較的多くのカフェインが含まれています。
コーヒーの含むカフェインの量は、ドリップで100ml当たり約60mg程度、インスタントコーヒーの場合は57mg程度です。またカフェインの血中濃度が最大になるまでの時間は、ホットコーヒーで30分から1時間程度、アイスコーヒーだと1時間以上かかります。
したがって、すぐに眠気を覚ましたい場合は、ドリップしたホットコーヒーがおすすめです。
また、牛乳を入れてカフェオレ・カフェラテにすると、逆に眠くなることがあるので注意が必要です。カフェインの含有量自体は変わらなくても、牛乳にはリラックス効果があるといわれており、眠気が促進されてしまう可能性があります。眠気覚ましのコーヒーには、ブラックコーヒーがおすすめです。
2.紅茶
紅茶にはコーヒーの半分程度、100mlあたり30mg程度のカフェインが含まれています。コーヒーが苦手な人は、温かい紅茶を飲むと良いでしょう。
カフェインの最大摂取量から考えると、紅茶は1日にティーカップ10杯までなら許容範囲になります。1日に飲める回数が多いのは魅力ですが、1杯あたりのカフェイン含有量は少なくなります。眠気覚ましにはなりますが、コーヒーに比べると効果は低く感じるでしょう。
3.玉露
玉露は、高級茶葉と呼ばれる緑茶の一種です。収穫の3週間前から日光を遮るなど生育に手間はかかりますが、その分気品のある香りや甘味をもっています。含まれるカフェインの量も100mlあたり160mg程度と、コーヒーより高いのが特徴です。
しかし玉露は値段も高く、淹れる手間があるため、気軽に飲めないという方も多いでしょう。眠気覚ましの効果は期待できますが、普段から飲むものとしては向かないかもしれません。
4.緑茶
緑茶にもカフェインが含まれています。しかし通常の緑茶やほうじ茶、ウーロン茶は100mlあたり10mg~20mg程度と、カフェインの量はやや少なめです。
少し眠い程度の場合であれば、緑茶でも良いでしょう。即効性を求めていたり、すっきりと眠気を覚ましたりしたい場合は、他の飲み物がおすすめです。
5.エナジードリンク
エナジードリンクは、カフェイン含有量が非常に高い飲み物です。カフェイン量は100mlあたり32~300mg程度と商品によって大きく異なりますが、眠気覚ましの効果を期待しているのであれば、エナジードリンクを飲むと良いでしょう。
カフェイン摂取量の観点からみても、1日に1本飲む程度であれば問題ないでしょう。ただし、過剰摂取には注意が必要です。
カフェインが含まれた飲み物を飲むときの注意点
カフェインはうまく摂取すれば良い作用が期待できますが、摂取のし過ぎには注意が必要です。
ここでは、カフェインが含まれた飲み物を飲むときの注意点をご紹介します。
1日の最大摂取量を守る
いくら眠気を感じたからといって、カフェインを摂取しすぎるのはNGです。カフェインを摂取しすぎると、以下のような症状が出ることがあります。
・動悸
・めまい
・震え
・下痢
・吐き気
現在はカフェインを含む飲み物が広く出回っているため、こうした過剰摂取には注意が必要です。
厚生労働省でも紹介している欧州食品安全機関(EFSA)によると、健康な成人が1日に摂取できるカフェインの量は最大400mg、一度の摂取量は200mgまでが目安とされています。飲み物に換算すると、コーヒーならマグカップ2杯半までが適量です。
出典:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html)
寝る前はカフェインを摂取しない
カフェインの覚醒作用は眠気を覚ますのにおすすめとお伝えしてきましたが、寝る前の摂取はおすすめしません。
なぜなら、覚醒作用があるということは、寝る前に飲むことで寝つきが悪くなるということでもあるからです。さらに、カフェインには利尿作用もあります。夕食後から就寝前はカフェインの摂取を控えるようにしましょう。
もし、寝る前に飲み物を飲みたくなった場合は、入眠を助ける効果が期待されている、白湯やハーブティーなどを飲むと良いでしょう。
カフェインに頼らない!日中に眠くならずに過ごすには?
カフェインを摂れば眠気を感じにくくなりますが、過剰摂取は体調を崩す原因にもなります。そのため、日中に眠くならないように生活習慣を改善することも重要です。ここでは、日中に眠くなりにくくなる過ごし方をご紹介します。
朝日を浴びる
起床直後に日光を浴びると体内時計が整い、昼間に眠くなりにくくなります。またこうして日光を浴びることで、眠気の原因となるホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられることもわかっています。
参考:厚生労働省e-ヘルスネット「メラトニン」
(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-062.html)
日光を浴びてスッキリと目覚めるには、カーテンを開けて寝るのがおすすめです。朝、陽の光に合わせて目覚められるようになるでしょう。もしも、カーテンを開けたまま寝ることに抵抗がある場合は、起床後にカーテンを開け、朝日を浴びるようにしてください。
昼ご飯を食べ過ぎない
昼ご飯を食べた後に眠くなるのは、炭水化物を取り込むことで体内の血糖値が下がるためです。こうした症状は昼ご飯を軽めにする、特に炭水化物を控えることで軽減できます。
少しだけ昼寝をする
眠気が耐えられないときは、軽い昼寝をするのがおすすめです。眠くなる時間帯は午後12時~14時くらいの間なので、そこに合わせて15分~20分ほど昼寝をしてみましょう。ただし夜に眠れなくなる可能性もあるので、昼寝は20分くらいまでにしておくのが無難です。
睡眠の質を改善する
日中に眠気を感じるのは、夜の睡眠の質が良くないことも原因です。質の良い睡眠をとるためには、普段からやっている生活習慣を改めてみましょう。
まず、寝る直前はスマートフォンやPCを見ないようにしましょう。そして、寝つきが良くなるからと、アルコールを摂取したり、落ち着くからとタバコを吸ったりするのもNGです。
寝る直前に強い光を浴びたり、アルコールの利尿作用やタバコのニコチンによる刺激を受けたりすることによって、良質な睡眠を妨げてしまいます。
次に、規則正しい生活を送ることも大事です。毎日同じ時間に寝て起きることで、体内時計を整えることができます。
また、夕方ごろに軽く行える運動を取り入れてみましょう。人は、体温が下がるタイミングに眠りに入ると、良質な睡眠につながるといわれています。
夕方に体を動かし体温を上げられれば、入眠時には体温が下がり始めているため、寝つきやすくなるでしょう。
まとめ
日中に襲ってくる眠気を撃退するには、覚醒作用のあるカフェインの摂取がおすすめです。カフェインはコーヒー・紅茶・玉露などに多く含まれるので、こうした飲み物を活用しましょう。
しかし、カフェインは過剰摂取すると体調不良を引き起こす可能性もあります。コーヒーでは、1日に最大400mg、マグカップ2杯半までを目安に摂るようにしましょう。
カフェインを摂れば眠気が解消されるかもしれませんが、そもそも眠気を感じなくて済むような生活習慣にすることも大切です。