日々の疲れをとるには、睡眠は非常に大切です。より効率的に快眠するためには、工夫が必要となります。今回は、快眠できる生活の方法や眠りやすい身体作りについて紹介します。
快眠へ導く方法は?1日の生活ですべき習慣
快眠を得るには、寝る前だけの習慣では足りません。1日の生活リズムや体内リズムを整えることが大切です。ここでは、快眠のために1日の生活で取り組むべき習慣について紹介します。
日光を浴びて朝食をとる
体内リズムを整えるには、朝に日光を浴びることが大切です。毎朝起きたら、15秒ほど日光を浴びて朝食をとりましょう。日光は曇りや雨の日の光量でも十分なので、毎日の習慣にするのがおすすめです。
日光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜に眠くなるようにリズムが整います。また、朝食をとれば、眠っていた脳や体が起きて体温も上がり、1日を活動的に過ごせるのです。
朝食は、たんぱく質と炭水化物を十分に摂取できるメニューが良いでしょう。食パンや卵、チーズ、ご飯、納豆、焼き魚などたんぱく質を含んだ朝食がおすすめです。
眠くなったら昼寝をする
昼食をとったあとの眠気に悩まされている人も多いのではないでしょうか。午後眠くなるのは正常な体内リズムです。我慢できないほど眠くなったら、15~30分程度の昼寝がおすすめです。
午後3時以降の昼寝は、夜の睡眠を妨げるため注意が必要です。昼寝をするなら、正午~3時の間に済ませると良いでしょう。
軽い運動・リラックスする
日中に軽い運動やストレッチをして、体を適度に疲れさせるのも快眠に必要です。ただし、激しい運動は反対に眠りを妨げるおそれがあるので、軽めの運動にしておきましょう。
また、入浴するタイミングも大事です。寝る直前に入浴すると、体温が高いまま入眠することになるので、寝つきが悪くなる可能性があります。そのため、睡眠の2~3時間前に入浴して体を温めることをおすすめします。
さらに、寝るまでの間に体をリラックスさせて入眠モードにしましょう。音楽を聴く、温かい飲み物を飲む、アロマを焚くなど自分に合った方法で心と体をリラックスさせることが大切です。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲むことで、一時的に体温が上がり、下がるタイミングで眠気が促されます。また、体がリラックスした状態になるため、快眠しやすくなります。おすすめのホットドリンクは、白湯やノンカフェインのハーブティー、ホットココア、ルイボスティーなどです。
とくに、ノンカフェインのハーブティーはリラックス効果が期待できるため、安眠につながります。
また、睡眠中はコップ一杯分の汗をかくため、水分を摂っていないと脱水症状を引き起こしてしまうこともあります。そのため、寝る前は適度に水分補給をすることが大事です。
スマホやパソコンは早めに閉じる
就寝前にスマホやパソコンの画面の光を浴びてしまうと、目を覚ましてしまいます。脳が昼間だと錯覚してメラトニンの分泌が抑制されるのです。メラトニンには入眠作用があるので、分泌が抑制されると眠りを妨げてしまいます。
そのため、寝る1~2時間前にスマホやパソコンを閉じることが大切です。また、画面の明るさを暗めにしておくのも良いでしょう。早めに目を休ませるような生活スタイルに切り替えるのが重要です。
快眠できない原因とは?
快眠のためにさまざまな対策をしているにもかかわらず、なぜか眠れないときもあります。眠れないのは何が原因なのでしょうか。ここでは、快眠できない原因を解説します。
ストレス
心理的なストレスによる緊張状態は、睡眠に影響を及ぼします。ストレスで自律神経が乱れて交感神経が優位になると、眠気を妨げてしまうのです。結果的に目が冴えて眠れない事態になってしまいます。
たとえ眠れても、浅い眠り(レム睡眠)が多くなり、快眠できません。ストレスは睡眠にも大きな影響を及ぼすので、なるべくため込まないように気をつける必要があります。
睡眠環境
眠れないときは、最適な環境が整っていない可能性があります。適切な温度や湿度など睡眠環境への配慮も重要です。気温は、夏場は25~26℃、冬場は16~19℃に保ち、湿度は50%程度が入眠に良い環境といえます。
騒音や明るさが気になって眠れない場合もあるでしょう。その場合は、防音カーテンや耳栓を使用して40db未満にするなどの工夫も必要です。
また、ベストな明るさは50ルクス未満(豆電球くらい)なので、これを目安に照明を設定しましょう。
カフェイン・アルコール
夕方以降に、アルコールやカフェインを摂取していると眠れなくなる可能性があります。カフェインには覚醒作用と利尿作用があるため、寝つきが悪くなり、トイレに行きたくて何度も起きてしまうおそれがあるのです。カフェインが含まれる飲み物としてコーヒーや緑茶、紅茶などが挙げられるので、これらの飲み物は控えましょう。
アルコールは摂取することで一時的に眠くなりますが、時間が経つにつれて眠りが浅くなり、睡眠の質が下がるといわれています。寝酒をしないと眠れない人も多いですが、実際は快眠を阻害する要因となるので、なるべく控えた方が良いでしょう。
病気や薬の影響
心の病気によって寝つきが悪いケースもあります。抗うつ剤・降圧剤・甲状腺治療薬などを服用すると、不眠になる人も多いのです。もし、日常生活に支障をきたしているような不眠状態が2週間以上続いている場合は、医師に相談しましょう。
その他
妊娠している人も、つわりや頻尿、胎動、ミネラル不足、圧迫感などで眠れなっている可能性があります。眠れないことで疲れが取れず、ストレスが溜まると胎児にも良くないので対策が必要です。
また、睡眠時無呼吸症候群の人も、眠りが浅くなってしまいます。寝ている間に起こる一時的な呼吸困難によって、目が覚める可能性があるのです。何度も起きると眠りが浅くなってしまうので、快眠できないでしょう。
そのほか、高血圧や糖尿病、肥満の人も快眠しにくいです。高血圧によって交感神経が優位になり、眠りが浅くなります。また、糖尿病の人は、喉がかわきやすく、水分をたくさんとって頻尿になるので何度もトイレに起きることになるのです。
快眠には「入眠儀式」がおすすめ
快眠するには、自分なりの入眠儀式を習慣化することが大切です。「これをすれば眠りやすくなる」という習慣を身につけましょう。
入眠儀式の例を以下にまとめました。
・寝る前にストレッチする、アロマを焚く、ぬるめのお湯に浸かる
心と体をリラックスさせる時間を設けることで、眠りに入りやすい状態にします。
・本を読む
スマホを置いて、好きな本を読みましょう。活字を追っていると眠くなる人にはぴったりです。
・日記を書く
日記を書いて「1日の終わり」を意識することで、これから眠ることを脳に教えましょう。
・パジャマに着替える
寝る時の服装に着替えることで、脳と体が眠る態勢に入るようにします。
・触り心地や抱き心地が良いアイテムを抱く
ふんわりと気持ちの良い手触りのものを触ると、副交感神経が働いてリラックスできます。
入眠儀式には、寝酒やスマホ、熱いお風呂、激しい運動などは避けるのが良いでしょう。眠りを阻害する行為なので、習慣化している人は注意が必要です。
まとめ
今回は、快眠するための方法として、快眠しやすい生活の送り方や身体の作り方について紹介しました。快眠を習慣づけるには、寝る前だけでなく、朝起きた瞬間からの生活習慣が重要です。快眠できる夜を迎えるために、1日を通して生活スタイルに気を配りましょう。